68. 「ブルーマンデー」の原因は「社会的時差ボケ」か?

皆さん、こんにちは。

月曜日の朝、だるさを感じたり会社に行く意欲がわかなかったり、「ブルーマンデー症候群」に陥っていませんか?
ブルーマンデーの原因は、決して仕事が嫌いであるとか、出勤が面倒くさいということではなく、実は週末の過ごし方に原因が潜んでいるのです。

社会的時差ボケが発症していませんか?

・金曜日の夜は羽を伸ばして遅くまで飲み会やカラオケを楽しんでいる。

・土曜日、日曜日はお昼すぎまで眠っている。

・お休みの日は家でゴロゴロしたりゲームをしたりして過ごす。

・いつも週末は夜型生活になる。

上記4つとも思い当たる方は、ブルーマンデー症候群の可能性大ですが、このブルーマンデー症候群になってしまう背景には週末の「社会的時差ボケ」がある可能性が高いとされているのです。

海外に行くと「時差ボケ」の症状に悩まされる方も多いと思いますが、実は日本にいて普段の生活をしていながら「時差ボケ」になってしまう症状のことを「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」言います。

「社会的時差ボケ」は平日の睡眠時間が短く、それを補おうと休日にたっぷり眠る、いわゆる「寝だめ」をしている人に多くみられ、たっぷり睡眠時間をとることで身体に元気を取り戻そうとした行為が逆効果になってしまっているケースが少なくないのです。実際、社会的時差ボケは慢性的な睡眠不足状態が続く睡眠不足症候群の人に併発する傾向が高いという指摘があり、平日の睡眠時間に比べて休日に2時間以上長く眠ってしまうという方は注意が必要。

「ベッドに入って1秒もたたずに眠れる」とか「どこでも場所を選ばずに眠れる」ということを「自分は快眠者だ」と自慢げに話す人がいますが、これは誤った認識です。これらの状態は睡眠不足の裏返しであって、日頃から適正な睡眠時間や質が確保できていないことによる身体、脳、心の悲鳴なので、決して自慢できることではありません。

社会的時差ボケを防ぐ2つのルール

社会的時差ボケを防ぎ、ブルーマンデーを引き起こさないための「週末の過ごし方ルール」はたった2つです。

・休日の寝坊は平日のプラス2時間までに留める。

・日中は外出し、なるべく光を浴びて活動的に過ごす。

平日6時起きの人はどんなに遅くても8時には起床しましょう。起床時刻が2時間以上遅くなってしまうと、たっぷり眠って疲労回復したかと思いきや、体内時計が乱れてかえって週末に疲れを溜め込んでしまい心身の不調を感じる結果になってしまいます。また、起床後目の中に光が入ってから約14~16時間後に眠気が訪れるメカニズムが働くため、遅い起床はどんどん眠気が訪れるタイミングを後ろ倒しにし、夜更かしリズムを作り上げてしまいます。

たった2日間夜型生活を送っただけで、睡眠リズムは30~45分も後ろにずれてしまうともいわれているのです。

どんなに日曜日の就寝時刻が遅くても、月曜日に起床しなくてはいけない時刻は決まっているので、必然的に究極の睡眠不足状態が作り上げられてしまう、これがブルーマンデーの大きな原因になります。どうしてもプラス2時間では起きられないという人は、平日の起床時刻からプラス1~2時間程度の時間に一旦起きて、太陽の光を目に入れて朝食を食べることがポイント。その後、のんびり過ごすなどして午前中に軽く早めの昼寝をとるようにします。ただしあまり長い時間寝てしまうと結局身体のだるさなどにつながってしまうので、自分の睡眠不足レベルに合わせて適切な時間に留めてください。少なくともランチまでには絶対に起きて、明るい環境でしっかりと食事を摂りましょう。

また、日中に光を浴びてセロトニンを活性化させ、活動することも大切です。以前カウンセリングを行った方で、ある特定の日だけ睡眠がうまくとれていないことがわかりました。よくよくお話を聞いていくと、眠れない日はいつもお休みの日で、1日中カーテンを締め切ってゲームをしているとのこと。光を浴びることなく1日が過ぎていくので、昼と夜のメリハリはつかず、夜の快眠が遠のいてしまっていたのです。休日に1日中ゴロゴロしたり、グータラ寝たりしている人よりも、外出して活動的に過ごしている人のほうが夜の快眠は確実に約束されますし、QOLも高く維持されます。

会いたい人に連絡をしてランチやお茶を一緒にしたり、行きたかったスポットへ足を伸ばしてみたり、気になっていたレジャーに参加してみたり、お休みで時間があるときだからこそ普段できない楽しいスケジュールを組んでみてはいかがでしょうか?

週末の過ごし方が1週間のスタートを決めます。起床時間や日中の過ごし方に気を配ることで、週末に疲れを「溜める」習慣から「解消する」習慣へ変えていきましょう。



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