皆さん、こんにちは。
いつも講演では、「8時間睡眠に科学的根拠はありません。理想の睡眠時間には個人差があります」というお話をさせていただきますが、先日も「驚きました!8時間は眠らないといけないと思い込んでいました!」とおっしゃられた方がいらっしゃいました。まだまだ「8時間睡眠神話説」は根強いということを、日々現場で痛感させられます。
すぐに分かる!自分の眠りは足りてる?足りていない?
理想の睡眠時間には年齢などを含めた個人差がかなりあり、3時間で十分な「ショートスリーパー」と呼ばれる人もいれば、9時間以上眠らないと調子が出ない「ロングスリーパー」と呼ばれる人もいます。ロングスリーパーの人がいきなり無理に短時間睡眠に切り替えるなどすると、心身に不調をきたしてしまうので、絶対におすすめできません。
では、理想の睡眠時間には個人差があるという事実を踏まえたうえで、果たして今の自分が適切な睡眠時間が確保できているのかどうかを把握するための簡単な「振り返り」を行ってみましょう。
①朝、すっきり起きられますか?
②朝、排便がありますか?
③朝食を食べていますか?
④午前中の電車移動や会議で眠気がくることはありませんか?
⑤休日に平日より2時間以上寝坊していませんか?
答えが5つ全て「はい」だった方は適切な睡眠がとれています。素晴らしいですね!4つだった方は「いいえ」の部分が毎日「いいえ」なのか、それとも何かがあったりストレスを感じたりしたときだけ「いいえ」なのか、具体的な生活習慣を振り返ってみるといいですよ。3つ以下の方は睡眠時間が足りていないことが想像されます。直ちに睡眠習慣を見直し、毎日5分ずつでも良いので多く眠れる時間を確保できるように意識してください。
量は足りているはずなのに、眠気がとれないのは何故?
中には、「睡眠時間はたっぷり確保できているはずだが、なかなか眠気がとれなくて昼間に困る」という方もいらっしゃると思います。その場合は睡眠の量(時間)ではなく、「質」に問題があることが考えられます。
下記質問事項は「質の良い眠り」をつくるうえで欠かせない要素です。いくつ「はい」と答えられるか、確認してみましょう。
・寝具が体に合っていますか?
・パジャマを着ていますか?
・寝室は安心できる空間ですか?
・毎日の就寝、起床のリズムは一定ですか?
・寝酒や喫煙の習慣はありますか?
・ストレスを過度に抱え込まないよう、発散できていますか?
・就寝ギリギリまでスマホをいじったり、仕事のメール返信したりしないように気をつけていますか?
・ぬるめのお湯に20分程度入浴していますか?
・就寝直前に夜食を食べていませんか?
・運動習慣はありますか?
・仕事から帰宅して90分程度のリラックス時間をもてていますか?
「はい」が多ければ多いほど質の良い眠りへとつながります。「いいえ」が多かった方は、1つずつでも「はい」に変えていけけるように睡眠習慣の改善を試みてくださいね。
適切な睡眠の「量(時間)」の確保と、良い睡眠の「質」の両方を得ることで、心と体、脳の健康へとつながりQOLが最大限引き上げられます。ぜひ、2つの側面からのアプローチで、毎日良質な睡眠を手に入れてくださいね。