皆さん、こんにちは。
日本は国際的に見ても極端に夜型化が進んでいる国。子供たちも大人の生活リズムに引きずられて夜に活動することが多くなっているといわれており、事実、平成22年度幼児健康度調査報告によると、就学前の3人に1人が22時を過ぎても起きているという報告がなされています。子供の睡眠には身体や心、脳を育む重要な役割がぎゅっと詰まっているため、睡眠不足は成長過程において様々な悪影響を及ぼすため見逃せません。
3歳時の睡眠時間は肥満に影響を与える
睡眠が正しくとれていない場合、心だけでなく、認知や運動などの脳の高次機能にも影響が出ることが考えられます。また、身体的にも悪影響があるという指摘も。国内の調査では、3歳の時点で睡眠時間が9~10時間、8~9時間の幼児は、11時間以上眠っている幼児と比べて中学1年生時点での肥満リスクがそれぞれ1.24倍と1.59倍であることが報告されているのです。この背景として、睡眠不足は脂肪分解を促進する成長ホルモンの分泌を抑制すること、交感神経の活動が活発になることでコルチゾールの分泌が上昇するとともにインスリンの効きが悪くなり、血糖値や血圧の上昇などを引き起こすこと、そして、レプチンやグレリンといった食欲の調整ホルモンのバランスが乱れて過食傾向になることなどがあげられています。大人の場合も睡眠不足は肥満の原因になることが明らかになっており、各年代ごとに適切な睡眠時間を確保することが健康の基盤づくりといえるでしょう。
両親のライフスタイルが子供の睡眠に影響を与える
都内の保育園に通う2~5歳児クラスの保護者を対象とした調査では、母親の起床・出勤・帰宅時刻が子供の就床時刻の遅延に大きく影響していることが明らかになっており、両親の生活リズム(特に母親)が子供の生活リズムに直接的な影響を与えていると考えられます。子供に適切な睡眠時間をとらせてあげたいと考える場合、まずは両親自身が生活リズムを整え、十分な睡眠時間が確保できるようなスケジュールを組むことがマストです。私自身もそうですが、子供ができるとやらなくてはいけないことが2倍どころか3倍にも4倍にも増え、これまで以上に時間に余裕のない毎日になると思います。まずは睡眠時間から逆算して1日のプランを考えること。そして、無駄を排除するために「To do リスト」ならぬ「NOT To do リスト」を作ってやらないことを決めることをおすすめします。自分の行いに優先順位をつけ、優先順位の低い習慣から「手放す」ようにすると、生産性のある時間の確保につながるので、ぜひ1日の自分の行いを1度振り返ってみましょう。
子供の健やかな成長のためにもまずは自分が正しい睡眠習慣を身につけ、子供にも眠ることの大切さや楽しさを伝えてあげてくださいね。