皆さん、こんにちは。
睡眠はついついケアを怠りがちな生活習慣の代表です。
しかし「眠れない」がもたらす弊害は、体、心、脳、行動と、あらゆる方向へ向かうことが分かっています。
例えば、
・体がだるいなどの不調や病気のリスクの上昇
・感情抑制のコントロールができない、精神疾患のリスクの上昇
・記憶力の低下や思考力、集中力、判断力などの低下
・引きこもりがちになったり、生産性や成績が落ちたりする
これまでの研究では、睡眠とQOL(Quality of Life : 生活の質)との関連も調べられています。
重症不眠者のQOLは、心不全の患者と同等レベルかそれ以下である
QOLと不眠の関係を調査した研究では、不眠は社会生活機能全般に影響を及ぼすことが報告されています。不眠によって集中力や木起き力だけでなく、昼間の仕事をやり遂げる能力や他人との関わりを楽しむ能力まで低下することが分かっているのです。
さらに驚くことに、イギリスの研究では、重症の不眠患者のQOLの水準は心不全の患者と同じレベルか、それ以下であることも指摘しています。「眠れない」を軽視して対処せずにほおっておいてしまうと、重症化したときには想像以上のダメージが心身や生活に及ぼされるということがお分かりいただけるでしょう。
日本人の5人に1人が睡眠に悩んでいる
不眠症は睡眠障害の中に含まれる1つで、最も頻度が高いといわれています。
不眠症の症状は、なかなか寝付けない入眠障害や夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒、ぐっすり眠れない熟眠障害、起きたい時間よりも早く目が覚めてしまう早朝覚醒などの4部類に分けられますが、これらは混在しているケースが多くみられます。
1997年に行われた調査では、日本の5人に1人が何かしらの不眠症状があると答えており、とても多くの人が睡眠に満足できていないことが分かりました。
睡眠はライフコース全般を通じて心身の健康を守る役割をし、子供においては心身、そして脳の成長に欠かせない重要な生活習慣です。
高いQOLで、体も心も健康にイキイキと過ごし日々を充実させるためには、毎日の良質な睡眠は絶対に欠かすことのできない習慣。
後回しにせず、睡眠に不調を感じたら放置せず、自分と眠りを向き合う時間を持つことを心がけ、時間が許す限り丁寧なおやすみ支度をしたり、睡眠環境を整えたりすることで満足のいく眠りを実現していきましょう。