44. 【睡眠健康経営】 ノーベル賞級の偉大な「ひらめき」が得られやすい時間帯とは?!

皆さん、こんにちは。

新商品や新サービスの開発、プロモーション、イベントなど、あらゆるビジネスシーンにおいて求められる「クリエイティブ力」。斬新な発想力や社会に新たな価値を創造するようなひらめき力は、働く全ての人にとって「欲しい!」と思う能力といえるでしょう。適切な睡眠時間の確保がクリエイティブ力に関連するという論文はネイチャーでも発表されていますが、時間帯によっても、発想が生まれやすい時間帯とそうでない時間帯が存在します。

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脳は睡眠中に記憶をインデックス化する作業を行う

不要な記憶は削除され、必要な記憶は脳に固定されるという、記憶や感情の整理整頓作業が睡眠中には行われています。そして、保存された記憶がまるで図書館のようにきちんと脳の中で整理整頓されると、記憶が「検索しやすい状態」になるので、「いざ!」というときにその記憶がつながるのです。例えば、最近得た情報の「●」と、昔の記憶である「■」という2つの記憶が結びつき、今まで思いもしなかったようなアイデアのひらめきが得られるといった状態。このように、記憶の分類、インデックス化を行っている過程で見るのが夢ではないかという説がるのですが、いずれにしても、きちんと眠ることで1日の中で得た膨大なインフォメーションの処理作業が行われるので、翌朝はスッキリとしたクリアな脳の状態に戻っています。

イノベーションの種は朝にある!

仕事で新しい発想を求められた際、考える時間帯は間違いなく「朝」がおすすめです。ぐっすり眠った翌朝の「ひらめき率」はどの時間帯よりも高いといわれています。実際、イノベーションを起こした歴史上の偉大なアイデアも、朝に起こったケースが多いそうです。逆に夜は1日の中で得たあらゆる情報で脳が埋め尽くされている状態であると同時に、使い続けたパソコンのように脳もヒートアップして疲労困憊状態。そんな疲れきった状況下で世間を驚かすような斬新なアイデアを生み出すのはかなりハードルが高いですから、ここは効率よくひらめきを得るためにも、早く寝て早く起きるのがベストです。朝は携帯も鳴らないので邪魔が入ることもありませんし、静かなので集中しやすい環境ともいえます。

アイデアを生まなくてはいけないという強迫観念から徹夜を続ける方もいらっしゃいますが、それではどんどん生産性も効率も下がる一方ですから、「新しいアイデアは、新しい朝にある」ということをぜひ、覚えておいてくださいね。

43. 【睡眠健康】 睡眠時間5時間未満では、心臓病のリスクは2倍に膨れ上がる

皆さん、こんにちは。

私は以前から講演などで、「睡眠力」とは「免疫力」であり、「睡眠不足は万病のもとである」とお話しております。皆さんも寝不足のときは「なんとなく調子が悪い」「身体がだるい」などという症状になったという経験、1度はあると思います。
しかし、睡眠不足はだるさ、頭痛、疲れなど病名がつかない、いわゆる「不定愁訴」だけでなく、死に至るような病の引き金にもなることが分かっているのです。

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睡眠不足は心臓病や高血圧、糖尿病、肥満のリスクを引き上げる

お昼寝を含めた1日の総睡眠時間が5時間未満の場合、睡眠時間7時間の人と較べて心臓病の発症リスクは2倍にまで膨れ上がるといわれています。さらに、5時間未満の人は睡眠時間が7~8時間の人よりも高血圧のリスクが1.8倍高くなることもわかってるのです。心臓病や脳血管疾患の危険を高める糖尿病のリスク、様々な生活習慣病の起因となる肥満のリスクも高まることが明らかになっており、加えて身体的な疾患だけでなく精神的な疾患にも大きく影響を与えることがこれまでの研究でわかっています。

身体・精神・脳の3方向へダメージが及ぶ

今日1日眠らなかったからといって明日すぐ重病にかかるわけではありませんが、寝不足はサイレントキラーのようにジワジワ、しかし確実に身体、心、脳を蝕み続けます。「たかが睡眠」「寝なくても平気」と侮っていると、取り返しのつかないことになりかねません。
NHKが1960年より5年毎に行っているNHK国民生活時間調査によると、調査開始の1960年から2010年までの50年間に、日本人の睡眠時間は59分も短縮していることが記されています。この間、デジタルアイテムを筆頭に様々なアイテムが誕生し、便利な生活になったにもかかわらず、私たちは睡眠時間を年々削りながら生きているのです。決して、「私たちが眠らなくても健康でいられるように進化した」わけではなく、「眠らないで生活することを選択している」だけ。現代は情報量も多く、24時間いつでも仕事や活動ができる環境にありますが、その結果、身体や心を壊したり、脳のダメージから生産性が落ちたりしてしまってはかえって効率が悪いと思いませんか?
まずは健康という土台をしっかりとつくったうえで、高いQOLとパフォーマンスを発揮することが理想ですから、睡眠時間の確保は1日のタイムスケジュールの中にきちんと組み込んで考えるようにしましょう。

 

42. 神奈川県、千葉県、奈良県民が眠らない理由とは?

皆さん、こんにちは。

睡眠の講演で全国色々なところへお伺いさせていただきますが、地域によって平均の睡眠時間は異なります。「47都道府県中、どこが1番睡眠時間が短いと思いますか?」と質問をすると、決まって「東京都!」というご回答をいただくのですが、実は、大都市で眠らぬ街というイメージの強い東京都や大阪府より眠っていない睡眠不足な県が存在するのです。

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眠らぬ神奈川、千葉、奈良県民。その理由とは?

睡眠不足第3位は、意外なことに奈良県の456分。続いて、第2位は千葉県の453分。不名誉な第1位に輝いてしまったのは、神奈川県の451分です。神奈川県の皆さん、いかがですか?身に覚えはありますか?
ちなみに、東京はワースト4位で456分で、ワースト5位は埼玉県の457分です。
東京などの大都市では仕事で帰宅が遅くなり睡眠時間が圧迫されることは容易に想像がつきますが、大都市の近郊の県がここまでワースト入りしているところをみると、一概にはいえませんが、やはり「通勤時間」が関係しているのではないかと考えられます。
通勤時間が60分を超える場合、朝は早く起きて夜は遅く帰宅する構図が出来上がってしまい、おのずと睡眠時間が削られてしまう傾向が高まると思われます。

「近くに住む」は、手軽な睡眠不足解消手段?!

以前、睡眠の講演の際、ある先生が「寝不足なら会社の近くに引っ越しなさい」とおっしゃっていました。そのときは会場内に笑いが起こりましたが、確かに県別の睡眠時間を見てみると理にかなっているように感じます。人は帰宅をしてから就寝するまでのリラックスタイムとして約90分は必要といわれているのですが、やはり通勤に60分~90分時間がかかってしまう場合、リラックスできる時間が削られて眠りの質が浅くなってしまったり、そもそも睡眠の時間が確保できないという状況に強いられてしまうケースがあるようです。
家族やお金などを考えると引っ越しは簡単なことではありません。しかし、仕事中の眠気が耐えられないほど強かったり、集中力が続かず仕事のミスが多いように感じる方の場合は、1つの提案として会社の近所に引っ越すのは手かもしれません。
(あまり近すぎても、それはそれで気持ちの切り替えができずにストレスを感じてしまう方もいらっしゃると思うので、そのあたりはご自身の感覚を大切にしてください。)

仕事の、健康の、人生そのもののクオリティを最大限上げるためにも、適切な睡眠時間の確保は必要不可欠です。明日のために、「眠る毎日」を心がけてくださいね。

41.『不眠症』を決める鍵は、夜ではなく昼間にある

皆さん、こんにちは。

「眠れない」という経験は長い人生の中で誰でも1度は経験する感覚であり、不眠の内容(種類)も様々です。なかなか寝付けないタイプ、夜中に何度も目が覚めてしまうタイプ、早朝に覚醒してしまうタイプなど、不眠にも色々なタイプが存在します。

きちんと理解できている?「不眠症」の定義

眠れない日が数日続くと「自分は不眠症なのでは?!」と不安に感じてしまう方もいらっしゃると思いますが、数日眠れなかっただけで不眠症と診断されることはありません。「不眠」=「不眠症」ではないのです。
ここで、改めて「不眠症」の定義についておさらいしましょう。
下記のスライドをご覧ください。①~④の症状が少なくとも週3回以上あり、それにプラスして「日中の社会生活に支障がある」と感じる場合に、「不眠症」を疑います。

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「日中の社会生活に支障がある」とは、下記のような症状です。

・疲労、または倦怠感がある
・注意力、集中力、記憶力の低下
・社会生活、あるいは職業生活上の支障、学業低下
・気分がすぐれなかったり、イライラする
・日中の強い眠気
・やる気、気力、自発性の減退
・職場や運転中などに過失や事故を起こしやすい
・睡眠の損失に相応した緊張、頭痛、または胃腸症状が認められる
・睡眠について心配したり悩んだりする

「日中の機能障害」の有無が不眠症を疑う鍵

不眠症を考えるとき、夜間睡眠中に出現する様々な症状意外に「日中の機能障害」が並行して存在していることが必須になります。ものすごく極端な言い方ですが、上記の①~④に当てはまる症状が夜間にあったとしても、日中に何も問題がなく快適に過ごせているのであれば不眠症ではないということになります。
ご自身の睡眠を振り返るときには、夜間の睡眠の状態をモニターすることはもちろんですが、ぜひ併せて昼間の自分の気分や体調なども気にするようにしてください。もし「普段と違うな」と感じることがあれば、一言程度で良いので手帳などに書き込んだり、スマホに記録としてメモを残しておくなどしておくと良いでしょう。

「眠れるかな?」と心配し過ぎることでかえって眠れぬ夜を自らつくり出してしまうケースもあるので、あまり神経質になり過ぎないことも大切ですよ。

40. 遮光カーテンをやめるだけで、熟眠感と起床時の気分が上がる!

皆さん、こんにちは。
「朝なかなか目覚められない」、「寝起きがすっきりしない」というお悩みは、年代・性別問わずとても多い睡眠に関連するお悩みのひとつです。普段の睡眠時間の短さや質の低下が背景にあると思いますが、快適な目覚めを実現させるためのアンサーのひとつに、実は「寝室のカーテン選び」があります。

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カーテンの種類により、目覚めの気分が変わる

起床予定時刻の30分前からゆっくり寝室の照度を上げ、起床時刻に明るくなる(1000ルクス)ように自動制御された光環境調整室で目覚めの気分を測定した研究で は、起床時の眠気や疲労感が少ないことが報告されています。外界が明るくなるに伴い、寝室内が明るくなるような漸増光による目覚めは目覚め感の向上だけでなく、起床時 の眠気の減少、熟眠感の改善、注意集中感の上昇が認められており、いかに朝の光が私たちの体調や気分に大切な要素であるかが分かります。実際、レースカーテンだけのほうが目覚めが良いという報告もあるほどです。
以前取材でお会いした方も、「高層マンションに引っ越してカーテンをしない生活を始めたら目覚めがとてもスッキリして良くなり、気持ちが良い」とお話をされていらっしゃいました。
完全に光をシャットアウトしてしまう遮光カーテ ンは快適な目覚めを妨げる傾向が高く、もし現在使用している場合には10cm程度の隙間をつくり、朝には光が差し込むようにしておくことがポイントです。

夜勤がある方は遮光カーテンの使用がおすすめ

とはいえ、遮光カーテンは全ての方にとってNGなわけではありません。夜勤がある方は朝に帰宅をし、明るい環境の中で就寝しなくてはいけないため、遮光カーテンなどを使って寝室空間を真夜中に近い環境に仕上げることが必要になります。夜勤を含む交代勤務で働く方にとっては、遮光カーテンは快眠と健康の強い味方となる存在なのです。
夜勤明けは遮光カーテンをしっかりと閉め、日勤の場合は少し開けて就寝するようにするなど、遮光カーテンを上手に使って光をコントロールしてくださいね。

ちょっとした工夫で朝の目覚め、ぐっすり感、日中の気分は良い方向へと変わっていきます。光を味方につけて、快適な1日のスタートをきりましょう!

39. 寝不足だと、風邪のリスクは4倍高くなる

皆さん、こんにちは。

多くの人を苦しめてきたウィルス感染。近年ではジカウィルス感染症やエボラウェルス感染症がニュースを騒がせましたが、私たちのもっと身近なところにあるウィルスといえば、インフルエンザや風邪のウィルス。
風邪をひきやすい人もいれば風邪をひきにくい人もいますが、その違いはいったいどこにあるのでしょうか?

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寝不足は風邪をひくやすくする

風邪をひきやすい人の場合、「これは遺伝」「わたしはそういうタイプだから」なんて、体質改善を諦めていませんか?
実 は、米カリフォルニア大学が18~55歳までの健康な男女164名を対象に行った研究により、1日の睡眠時間が6時間以下の場合、7時間以上眠っている人 に比べて風邪をひくリスクが4.24倍高くなるという研究報告がありました。風邪発症のリスクは睡眠時間が短くなればなるほど高まるといわれています。
人間の生体には免疫機能があり、免疫力によってウィルスや細菌などの感染を防ぐのですが、免疫力を高める作用のある成長ホルモンやメラトニンが睡眠不足でちゃんと分泌されなくなってしまうと免疫力は低下し、病気にかかりやすくなってしまうのです。
睡眠と免疫は相互関係にあってお互いに働きかけるため、睡眠不足は免疫機能を低下させる、つまり「体内の異物と闘う力が落ちる」ことにつながってしまいます。
睡眠力は免疫力といっても過言ではありません。免疫力を高め、自然治癒力をマックスに引き上げるためには、日々の適切な睡眠量の確保がマストです。

睡眠力は免疫力とイコール

「免疫系」とは私たちの体に備わっている「自衛システム」のこと。なので、風邪などのウィルスのような有害な物質が体内に侵入してきたときに様々な免疫物質が働いて、私たちの体を守ってくれています。この機能が衰えることがどれほど恐ろしいことかは、容易に想像ができますね。
まだ風邪ぐらいであればすぐに治すこともできますが、免疫力が低下することは新型インフルエンザや様々な怖い感染症にかかる可能性が高まることも意味しています。さらに、アレルギーなどにも関係してきますから、侮れません。
体調を崩してしまうと心身ともに辛いですし、仕事ではパフォーマンスは落ち、楽しみにしていた予定があれば楽しむことは難しくなり、医療費はかかってしまい、いいことなしの連鎖が起こってしまいます。
これから冬にかけては乾燥と冷えで風邪をひきやすくなる方が増えるので、ぜひ睡眠の「時間」をきちんと確保できるように意識して、毎日の生活を送りましょう。

38. あなたはどれを選ぶ?素材別「毛布」の特徴

皆さん、こんにちは。

熱く寝苦しい夏が終わって過ごしやすい季節が到来し、夏寝具から秋・冬寝具へと寝室を衣替えする時季となりました。秋冬寝具では欠かせないアイテムいえば「毛布」。一言で毛布といっても様々な素材があり、それぞれ特徴・魅力があるので、ここでは代表的な素材4つについてご紹介します。

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素材別「毛布」の特徴

カシミア

言わずと知れた高級素材。熱を逃がさないので保温効果が高く、極上の暖かさを実現してくれます。また、吸湿発散作用も高いのでカラッとしていてムレ感が少ないのも特徴です。艶やかでなめらかな肌ざわりが魅力的で、包まれるだけで高貴な気持ちにしてくれる魔法の毛布。また、毛布は羽毛布団とセットで使用するケースがほとんどですが、カシミアの毛布は羽毛布団と併せてもズレにくいので相性抜群です。さらにアクリル毛布に比べると軽く、体への負担が少ないといった利点もありとてもおすすめの素材といえます。しかし、機能性が高ければ値段も高い!ということで、お財布との相談が必要となる素材の毛布です。

 ウール

寝具素材の中でも優等生として知られるウールですが、ウールの最大の魅力はなんといっても「呼吸する素材」といわれるほど吸湿発散力。熱伝導率が低いことから外部の冷たい空気を防ぎ、高い保温性を維持するうえにしっかり汗を吸収してくれるので、寝汗が気になる方や汗をかきやすい方には特にピッタリです。カシミア同様、天然繊維ならではの機能性が良さ、そして軽さが心地よい眠りをサポートしてくれるのでとても重宝します。弾力のある肌触りと自然で優しい暖かさで、心と身体に安心感を与え、昼間の緊張を一気にほぐしてくれるような毛布素材です。

アクリル

アクリル素材はピンからキリまで素材のランクは幅広く様々ですが、一般的には抜群に気持ち良い肌触りで女性に人気の素材。心地よい触り心地に加え、購入しやすい価格でお財布に優しいうえに、自宅で丸洗い洗濯できるという取扱いのしやすさが大きな魅力です。ただし、化学繊維なのでウールと比較すると吸湿発散力に乏しく、どうしてもムレ感が出てしまいます。また、滑りやすい素材のためベッドでは使用しづらいという難点も。また、毛布の上に羽毛布団をかけて使用する場合、羽毛布団は軽いので滑りやすいアクリルはあまり相性が良いとは言えません。さらに、アクリル素材というと気になるのが静電気の問題ですが、最近では帯電防止加工を施してある製品も販売されているので、ラベルをチェックして確認しましょう。

綿

綿毛布は吸湿感がありしっかりと汗を吸ってくれる素材で、オールシーズン使える万能毛布。丈夫なので洗濯を繰り返しても固くなりにくく、優しくソフトな肌触りが維持されるので、長いスパンで使用できるため使い勝手がとても良く、1枚持っておくと便利です。羽毛布団と併せて使う方の場合、圧倒的に相性が良いのがこの綿毛布。静電気もアクリルよりは起こりにくいので安心して使えます。綿毛布は他の素材と比べると多少の重さがあるので、「掛け心地が気持ち良い」と好まれる方も多いのですが、ウールよりも発散性がないので使用している期間が長ければ長いほど、どんどんムレて重さが増していくというデメリットがあることは覚えておきましょう。

機能性、価格帯、デザインなど、様々な種類の毛布がありますが、これから秋・冬にかけては毎日活用するものなのでぜひご自身にとって「これだ!」と思うかけがえのない1枚を見つけてくださいね。

37. 「スムーズな寝返り」を促す3つのアプローチ

皆さん、こんにちは。

寝返りシリーズ第三弾の記事は、いよいよ「スムーズな寝返りをうつ方法」についてです。まだ「寝返り」がもつ働きや「寝返り力チェック」を行っていない方は、下記記事をぜひ読んでくださいね。

「睡眠上手」な人は「寝返り上手」だった!寝返りがもつ3つの役割

あなたはぐっすり眠るための「寝返り力」、ある?ない?

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スムーズな寝返りをうつために大切な3つのこと

①柔らかすぎるマットレスは使わない

柔らかすぎるマットレスや布団を使用している場合、頭に比べて背中が落ち込むため頭と背中に高低差が出たり、腰からお尻が落ち込んだりとW字形のような不自然な寝姿勢になって頚椎や腰椎への負担が大きくなります。寝返りには体の歪みを矯正する大切な働きがありますが、このような寝姿勢ではうまく寝返りがうてず肩こりや首こり、腰痛の原因になってしまうので要注意。身体をしっかりと受け止めてくれるだけの硬さと、体圧を分散してくれる機能を備えていることがポイントです。ひとつの目安として、座ったときにお尻が沈む感じがないことが大切。10年以上使用している場合は購入したときよりも柔らかくなっている可能性があるのでチェックしてみましょう。

②寝着は「パジャマ」にすること

ジャージやスウェットなど、いわゆるパジャマ以外のものを着用して眠る人が多いですが、これらのウェアは、もともと外気に触れて運動する目的で開発されているので、そもそも眠る目的として着用するには生地が厚過ぎます。このような厚い生地は寝具との間に摩擦を起こして寝返りに強い力が必要とするので、スムーズな寝返りを妨げてしまいます。寝返りをしたあとも、衣服とシーツ、毛布などがよじれて体に無理な力が入ってしまうため、身体の歪みや痛みにもつながってしまう可能性大です。特にルームウェアのワンピースタイプのものは足に絡まり寝返りを邪魔するうえに、めくれ上がって下半身を冷やすのでおすすめできません。「眠るときに着るもの」がイコール「パジャマ」ではありません。眠ることを目的として作られている衣服が「パジャマ」です。きちんとパジャマを身につけて眠る習慣をつけましょう。

③就寝前に「寝返り運動」を実践する

スムーズな寝返りができるよう、ベッドに入ったら寝付く前に「寝返り運動」を行い、身体に寝返りの感覚を覚えさせてあげましょう。
1.仰向けになり、両膝を軽く立てる。
2.ゆっくり全身を右側に倒し、再び仰向けに戻る。
3.ゆっくり全身を左側に倒し、再び仰向けに戻る。

とてもシンプルな動きなので、寝返りの練習として軽く目を閉じてリラックスしながら毎晩3~5回程度行ってみてくださいね。

「睡眠上手」を目指して、3つのアプローチから「寝返りの達人」になりましょう。眠りの質が変われば、明日の意欲、元気、健康が変わりますよ。

36. あなたはぐっすり眠るための「寝返り力」、ある?ない?

皆さん、こんにちは。

「寝返り上手」は「睡眠上手」であること。寝返りには就寝中の身体を健康に保ち、睡眠のクオリティを維持するために欠かせない重要な役割を担っていることは前回の記事でご紹介いたしました。(「睡眠上手」な人は「寝返り上手」だった!寝返りがもつ3つの役割
実際に寝返りを上手にうつ方法をお伝えする前に、まずは自分に「寝返り力」があるかどうかを確認してみましょう。

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あなたは大丈夫?「寝返り下手チェック」

寝返りは眠っている間に無意識に行う活動ですので、自分が毎晩きちんと寝返りをうてているのか把握することは難しいですよね。しかし、何事もまずは己の状態を知ることが改善の第一歩。ということで、下記項目に今の眠りの環境や状況が当てはまるか、チェックしてみましょう。

・頭や身体が沈むような柔らかい枕、マットレスを使っている
・同じマットレス(敷き布団)を10年近く使っている
・就寝時の寝着はパジャマ以外のものである(ジャージ・スウェット・ルームウェア・昔の服など)
・寝具はあまり洗わず、衛生面が保てていないと感じる
・朝起きたときに肩や腰が痛い
・夜中に何度も目が覚める
・熟睡できず眠りが浅い気がする
・朝、起きた瞬間から疲れを感じ、すっきりとした気分で起きられない

上記の項目に1つでも当てはまる場合は「寝返り下手」認定です。皆さんはいかがでしたか?

寝返りは無意識の運動

じっとしたまま動かず同じ寝姿勢を続けていると床ずれを起こしてしまうことからも、寝返りをうつことの重要性は容易に想像ができるかと思います。身体を守り、睡眠の質を保つために行われる寝返りは、まさに就寝中の無意識な運動ともいえる行い。この無意識な運動が毎晩きちんと行われなければ眠りが妨げられ、昼間の強い眠気やイライラなどメンタル不調、だるさや頭痛などの不定愁訴につながる可能性も大いにあるので、決して軽視できません。たかが寝返り、されど寝返り。昼間の運動と同じように、就寝中の運動(寝返り)もとても大切なのです。寝返り上手を目指すための具体的な手法は改めてご紹介いたしますね。

35. 「睡眠上手」な人は「寝返り上手」だった!寝返りがもつ3つの役割

皆さん、こんにちは。

「睡眠の質」はイコール「健康の質」、「パフォーマンスの質」、そして「人生の質」といっても過言ではありません。つまり、快眠者ほど心身ともに健康で、ハイパフォーマンスを発揮でき、QOLのレベルが高い人といえます。毎日ぐっすり快眠できる「睡眠上手な人」の秘密はどこにあるのでしょうか?実は、「寝返り」に答えがあるのです。

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「寝返り上手」は「睡眠上手」

個人差はありますが、一晩に約20回程度、人は寝返りをうつといわれています。「寝返り」には質の良い眠りをサポートするための重要な役割が3つ備わっているのでご紹介しましょう。

①皮膚温調整作用

体と寝具がずっと同じ面で接触していると接触面辺りの皮膚の発汗も抑制されてしまいます。汗には気化して体温を下げる働きがあるため、うまく発汗できないと体温調節ができず、熱がこもって皮膚温が上昇。皮膚温が上がり過ぎるとそれが覚醒刺激になり、睡眠を浅くしたり、夜中に目が覚める中途覚醒につながってしまうことも。寝返りをうつことで、熱のこもりを未然に防ぎ、不快感を除去して快適な眠りを支えてくれるのです。また、就寝中の布団の中の温度や湿度を調整する役割も担っています。

②血流アップ作用

ずっと同じ姿勢のままでは体重による圧迫や重力で血流・体液の循環が低下してしまいます。重力のかかり方に変化が出ないため、血液も体液も重力に引っ張られて滞留しやすくなってしまうのです。特に、背中やお尻など、重力のある部位は体液や血液の循環が悪化やすいので要注意。しかし、寝返りをうつことで自然と身体の循環を良くし、血液のアンバランスの修正を行うことができます。

③睡眠サイクルのスイッチ

睡眠はレム睡眠(体の休息、脳は活動)とノンレム睡眠(脳も休息)の2つから構成されています。寝返りはそのサイクルがリズム良く進むためのスイッチ役を担っており、寝返りがきちんと行われないと睡眠サイクルに乱れが生じてしまうのです。睡眠は「ノンレム睡眠」から「レム睡眠」へと移行する睡眠周期を繰り替えしながら朝を迎えることで、質の高い眠りが維持されますが、寝返りの多くは睡眠段階が移行する直前に、まるでギアチェンジするかのように打たれるといわれています。

3つの働きの他に、筋肉の疲労を解消したり、背骨の歪みを矯正したりする役割もあるとされる「寝返り」。私たちが就寝中、無意識に行っている「寝返り」には、眠っている身体を健康的に維持するために必要な働き、そして高いクオリティの眠りを実現するための働きがギュッと詰まっていること、お分かりいただけたましたか?
寝返りを上手にうてるようになるための方法は、また次回お伝えいたします。