18.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】眠気を計画的に管理することで仕事の質を高める

皆さん、こんにちは。

以前会社勤めをしていた頃、先輩が「眠くて眠くて、はっと気がついたらワードに何故か「アイスクリーム」と打ち込んでいた。」と言っていて、とても驚いた記憶があります。また、「眠くて一瞬意識が飛んでしまい、ふっと目が覚めてPCの画面を見たら「あああああああああああああああああああああああああああああああ」と連打されていた」という人もいました。
やる気はあるのだけれど、どうしても襲ってくる眠気。
この眠気を計画的に管理することは労働生活の質向上に直結することが分かっています。

animal-339400_640

「眠気」は自分でコントロールすることができる

夕方にかけて瞼がどんどん重くなり、焦点がぼやけ始め、いよいよ集中力が途切れてしまうという経験、誰しも1度はあると思います。これが大事な会議中だったら大変。周囲への印象も悪くなってしまいかねません。眠気は勝手にやってくる生理現象だから仕方がないと諦めている方もいらっしゃるかもしれませんが、意識をすることである程度コントロールすることができます。ただし、大前提として「夜間の睡眠習慣をきちんと意識している」ということがもちろん重要です。短時間睡眠や不規則な生活をしていても日中の眠気を管理することができる、というわけでは残念ながらありません。

「予防的仮眠」で事前に眠気を除去

午後の体温が低下したタイミングで訪れる眠気を事前に除去する目的でとる「予防的仮眠」をとることで、耐え難い眠気に対処する方法はとても有効です。午後の眠気が解消されることで、事故やミスを防いで生産性を上げるだけでなく、精神衛生を良好に保てるようになるので、まさに一石三鳥。長い仮眠をとると深い眠りへと入ってしまい、その後覚醒したあとなかなかエンジンが入らない状態になってしまうので、15~20分程度で留めておきましょう。また、夜勤などがある場合も業務前に「予防的仮眠」をとっておくことが大切になります。

有効な眠気予防法で主観的な眠気を除去する

よく知られている眠気除去法といえば、「カフェインの摂取」でしょう。カフェインの覚醒効果は科学的にも証明されており、カフェイン接種後は覚醒水準が上昇し、自動車運転のシュミレーターでの成績が向上する(車体の揺れが少なくなる)という報告もあるのです。それ以外の方法で日常的に私たちが行う眠気対策として、ガムを噛む、冷風に当たる、歩く、人と話す、運動するなどがあります。ただし、これらの眠気予防法の効果は短時間であり、主観的な眠気を減らすことはできても、作業成績を改善することはできないといわれているのです。つまり、本人は眠気を感じていなくても、パフォーマンスとしては著しく低下しているといこと。
主観的な眠気だけが減ることで「眠気の過小評価」につながり、結果として労働現場における事故が引き起こされるキッカケになる可能性が示唆されていますから、今後あらゆる角度からの検証と、労働者と労働環境の安全を守るための適切なソルーションが求められます。
夜間の睡眠を十分確保することを意識したうえで、必要であれば仮眠やカフェイン摂取などの習慣を取り入れ、心身の健康と安全の両方を確保しましょう。



友野なおの書籍 新刊は『ねこ先生クウとカイに教わる ぐっすり睡眠法』です。


コメントを残す