26.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】 産業心理カウンセラーとして。

皆さん、こんにちは。

先日、大学院での学びと平行して学んでいた「産業心理カウンセラー」の資格試験を受け、無事に合格いたしました!
睡眠のコンサルティングをすればするほど、多くの方の睡眠のお悩みをお聞きすればするほど、快眠メソッドやアイテムだけでなく、心に寄り添うことの必要性と重要性を痛感した経験から、産業心理カウンセラーを目指していました。

精神障害に係する労災請求数、あるいはその決定件数

2014年には精神障害に係する労災請求数、あるいはその決定件数が過去最高の数値に達し、ストレスチャックも義務化されたりWLBの重要性も少しずつ根付き始めてたりはいますが、実際はまだまだ行き届いていないと感じるケースが殆んどです。

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実際、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成20年には323万人にのぼっています。
私の近著、「やすみかたの教科書」(主婦と友社)の中でも書いていますが、働き世代が感じる圧倒的なストレスレベルの高さ、睡眠時間の短さ、労働時間の長さ、心身ともに大きな負担を抱えながら走り続ける姿はもはやワーキングアスリートです。

心と身体がつながっている

心と体は自律神経系・免疫系・内分泌系の3つのルートでつながっているので、心のエネルギーが低下してしまうと体のほうにも不調がきたし、頭痛やだるさなどの不定愁訴を感じてしまうことにもつながりかねません。また、「睡眠」も、心に不安やストレスを抱え込んだままの状態では質がなかなか眠れない「入眠障害」や、夜中に何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」、起床時刻よりかなり早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」が起こりやすくなってしまいます。
ストレス社会を元気に生き抜き、自分らしい幸せに包まれて生きていくためには「心を整える」ことがとても大切です。
これから益々、心から、体から、脳から、環境から、皆様の「ぐっすり」を叶えられるよう、精力的に活動してまいりたいと思います。

25. 「ストン」と寝落ちする2大アプローチ

皆さん、こんにちは。

皆さんは寝付くまでにどのくらいの時間を要していますか?
正常な場合、およそ15分~20分程度の時間で寝付くといわれていますが、実は現代のストレス社会において、それ以上の時間が必要になってしまっている方は少なくありません。理由を伺うと、「今日1日を振り返ってあれこれ考えてしまうから」、「仕事のことが頭から離れないから」、「ああしなければ良かったなど、1人反省会を行ってしまうから」などが多く、なかなか眠りモードのスイッチを上手く入れられないケースが多いようです。

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寝付きをよくするための2大アプローチ

以前お話をお伺いした方で、ベッドに入ってから3時間は寝付けないとお悩みの方がいらっしゃいました。せっかく0時にベッドに入っても寝付くのは明け方3時過ぎ。朝は6時には起床しなくてはならないとなると、結局毎日3時間睡眠でハードな日々をなんとか乗り切っているという過酷な状態になってしまっています。
いい眠りは睡眠の「量」と「質」の両面から考えますが、この2つの改善のためには寝付きをよくすることがとても重要になるのです。そのためには、「心理的な効果」が得られる習慣と、「生理的な効果」を狙った習慣という2つの方法が要になります。

寝付きを良くする「心理的効果」:入眠儀式

パブロフの犬と同じ原理にのっとって、毎日就寝前に同じ行動をとることで気持ちを仕事モードからおやすみモードに自然と切り替えていくという「入眠儀式」はとてもおすすめです。「入眠儀式」は一言で説明すると、「眠るための条件付け」のようなもの。儀式の内容はシンプルで簡単なものが良いでしょう。例えば、パジャマに着替えるでも良いですし、瞑想をする、アロマを嗅ぐなど、簡単で自分が心地よいと思えることが大切。就寝前のお約束として毎日行うことを決めておくと、その儀式を行った瞬間に、「あ、もう自分は眠るんだな」と脳が認識して、すみやかに睡眠モードに移行することができるようになるのです。

寝付きを良くする「生理的効果」:入浴など

心理的効果だけでなく、体温変化により入眠を促進する効果を狙った生理的効果が得られる方法も取り入れると、よりスムーズな寝付きが促されます。例えば、ぬるめのお湯での入浴や、19時前後の運動習慣など。運動は一時的に体温を上昇させ、その後、身体が眠りの準備に入るために下降する体温との落差を大きくして寝つきやすい状態をつくってくれるのです。ぬるめの入浴は身体全身を効率よく温め、末梢から深部の熱を放出させ、快適な眠りを誘ってくれる効果などがあります。

心理的、そして生理的な効果が得られる就寝前の習慣を取り入れて、ストンと寝付きの良い毎日をお送りくださいね。それが、明日の仕事で活かせるハイパフォーマンスと、意欲的に働くために欠かせない心身の強化へとつながっていきますよ。

24.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】 上手な人間関係の育み方と、睡眠の関係

皆さん、こんにちは。

平成24年に行われた厚生労働省の労働者健康調査において、職場でのストレス最大要因は41.3%で「人間関係」であるという記事を前回書きましたが、皆さんは心当たりありますか?

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眠る能力の高い人は、コミュニケーション能力が高い

人間関係のトラブルでも様々な種類がありますが、人との関係性を構築していく中で欠かせないのが「コミュニケーション」。これは職場であっても、職場から離れた場所であっても必要とされるツールですよね。コミュニケーションの上手なとり方の指南本はたくさん出版されていますし、世の中の関心も高い分野だと思いますが、実は睡眠との関係性はこれまであまり伝えられていません。

人とのコミュニケーションをとるうえで重要な役割りを果たす要素はいくつかありますが、その中のひとつに脳の「前頭前野」という部分があり、ここは脳の各部位を総合的に使いこなす指令塔ともいわれる非常に大切なところなのです。

寝不足で脳の働きが鈍ることにより、人間関係にヒビが入ってしまう

前頭前野は思考の根幹ともいえる働きをしており、他人の意見を分析して判断したり、自分の意見を考えて組み立てたりとコミュニケーションをとるうえで要となる役割を担っています。逆にいうと、前頭前野がきちんと働けていない状況だと、スムーズなコミュニケーションがとれなくなるということ。
寝不足だと、いつもはスルーできるくらい些細なことなのにイラっとしたり、ちょっとしたことで感情的になったりしてしまったという経験、皆さんも1度はありませんか?さらに、前頭前野の働きが鈍ると感情のコントロールができなくなってキレやすくなるだけでなく、周囲に対して興味がなくなり、無頓着になったり、他人に対する思いやりや協調性が失われたりといったことも起こりやすくなるといわれています。
つまり、寝不足は単純にコミュニケーション能力低下を招くだけでなく、酷い場合には社会的ひきこもりやうつ病などにもつながりかねないので侮れません。

あなたはどんな人と働きたいですか?

私自身、毎日多くの方とお会いしてコミュニケーションをとっていますが、やはりまたお仕事をご一緒したいと思う方は皆明るく、一生懸命で思いやりのある方です。どんなに能力が高かろうが、地位があろうが、「人として」の部分が欠けているようでは、結果として良いお仕を一緒につくりあげていくは出来ないと私は思っています。それは友人関係でも同じ。感情的で愚痴っぽく、自分本位な人には時間を割きたいと思いませんよね。人間は1人で生きていくことはできません。いい仕事をするためにも、健康を害さないためにも、そしてなによりもいつもハッピーでいられるためにも、日々の睡眠時間を確保するよう心がけるなど、睡眠習慣を大切にしましょう。

 

23.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】 職場ストレスの第一位は、「人間関係」。中でも最もストレスの原因になるのは?

皆さん、こんにちは。

精神障害に係る労災請求、あるいはその決定件数が2014年に過去最高の推移に達しました。厚生労働省の調査によると請求件数は1456件、うち、決定件数は1307件と、多くの方がメンタルの不調に苦しんでいる状況が高い数値からみえてきます。

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ストレス原因の第一位は、やっぱり「人間関係」

平成24年に行われた厚生労働省の労働者健康調査において、職場でのストレス最大要因は41.3%で「人間関係」となりました。続いて「仕事の質」、「仕事の量」という結果になりましたが、圧倒的に人間関係で悩み、ストレスを抱えている人が多いのが現状です。
私自身、様々な企業様へ訪問させていただいたり、色々な方のお話をお伺わせていただく機会が多い中で、確かに職場の人間関係に悩んでいる人はとても多く感じます。実際、勤労者からの電話相談や上場企業のアンケート結果でも、やはり人間関係のストレスがトップにくるそうです。
全く同じ環境でもストレスを「感じる人」と「感じない人」がいることは、皆さんも経験上ご存知かと思いますが、これはストレスに対する抵抗力や認識が個人個人で全く異なるため。ストレスそのものの「受け止め方」やそれに対する「対処能力」、その人がもともともっている「気質」、「体力」によってストレスの感じ方や捉え方は違ってきます。

人間関係を悩ますのは「上司との関係」?

独立行政法人 労働者健康福祉機構の調査によると、職場ストレス原因1位である人間関係の中でも、電話相談で最も多いのが「上司との関係性」だそうです。「職場のソーシャル・キャピタル」のときにも書きましたが、リーダーが寝不足の場合パワハラやセクハラが増え、部下が寝不足の場合リーダーを尊敬できなくなるといわれていますから、どちらか一方でもワーカホリックな状態にあり、睡眠を疎かにしていると、自然と両者の関係性は悪くなってしまいます。そういった社内の雰囲気の悪さはどんどん伝染して全体の空気を淀ませてしまうことになりかません。上司や先輩のほうから部下や後輩に、「今日はもう帰ろう」という声がけをしたり、残業のし過ぎを予防できるようなプログラムを導入するなどの取り組みが必須です。
ぐっすり眠ることで人間関係がスムーズになるメカニズムは、また次回お伝えをいたしますね。

22.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】 エリートアスリートをつくる睡眠の重要性

皆さん、こんにちは。

リオオリンピック、盛り上がっていますね!
選手皆さんの姿に、毎日毎日勇気と元気をいただいています!!メダルを獲得した選手も本当に素晴らしいですが、ここに至るまでの努力を想像すると、すべての選手にただただ大きな拍手を送りたい気持ちでいっぱいです!!
ちょうど夜中に試合が行われているということで、さすがの私もついつい夜更かししてしまいたくなりますが、皆さん、朝まで試合を観て、徹夜で出勤なんていうことになっていませんか?
寝不足は事故やミスの原因になりますから、くれぐれもお気をつけくださいね。

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エリートアスリートに睡眠がとても重要であることが判明

イングランドスポーツ研究所(EIS)スポーツサイエンスの博士課程学生Luke Gupta氏がまとめたエリートアスリートおける睡眠の重要性の結果によると、睡眠はトレーニングのリカバリーに重要な役割を果たしており、睡眠が不十分だとモチベーションが低下し、生理的なストレスが増加するため、短期的なトレーニングの質が低下し、長期的には計画したトレーニングプログラムが実行できないほどの負の結果につながるとされています。アスリートの睡眠に関する知識不足も指摘されており、近年ではEISとラフバラ大学の共同でコーチらを対象に「Sleep to Win」ワークショップを開催するなどし、勝つためにいかに睡眠が重要がを伝える啓蒙活動を行っています。

ワーキングアスリートが戦うために知るべき睡眠の知識

睡眠が大切になるのは、なにも戦うフィールドがオリンピックのアスリートたちだけではありません。ストレスフルな競争社会の中で人と比較されたり、達成しなくてはならない数字のプレッシャーに追われたり、メンタル的にも身体的にもかなりのタフネスが求められる現代で働く皆さんは、もはや「ワーキングアスリート」。
モチベーションを維持し、仕事の生産性を高め、計画したプランを着実に実行して結果をだすためには、やはりエリートアスリートと同じように毎日のいい睡眠が欠かせないのです。
エリートアスリートのように、しっかりと自分の身体と心のコンディション管理がデキる人こそが能力を最大限発揮でき、会社の中でも信頼され頼られる存在になり、周囲にも良い影響を与えられます。
まずはエリートアスリートにもアドバイスされているとおり、可能な限り就寝時刻と起床時刻を揃えて、自分のスリープスケジュールを守るように心がけるところから始めてみましょう。特に、お盆休暇やオリンピック鑑賞で睡眠リズムが乱れていた人は、意識して行ってくださいね。

17.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】「職場のソーシャル・キャピタル」が高い企業の秘密とは?

皆さん、こんにちは。

お盆休暇が終わりましたが、ビジネスライフモードはしっかりオンになっていますか?
また、休暇の過ごし方や楽しかった思い出など、職場の仲間たちとシェアできているでしょうか?
「わざわざプライベートなことを職場でなんて話さない」「職場の人たちの休暇なんて興味ない」と思われる方もいるかもしれません。しかし、皆が活き活き気持よく働けて、生産性が高い企業の背景には「高いレベルの職場のソーシャル・キャピタル」があるのです。

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職場のソーシャル・キャピタルは、社員の睡眠に影響を与える

職場スタッフの中でお互いに助け合い、利益を尊重し、信頼しあっている状態である「職場のソーシャル・キャピタル」が高いほど、携帯活動計によって測定した睡眠の状態は良好であることが分かっています。(具体的には、睡眠時間は長く、睡眠効率は高く、睡眠中の活動量は少い。)信頼を築くためには常日頃からコミュニケーションをとり、相手を理解することが大切。仕事に関する細かい相談や話し合いはもちろん、日頃の楽しかったことや相手にとって有益だと思う情報はどんどんシェアして喜びを共有できる関係を築いていくことで職場のソーシャル・キャピタルは高まっていくので、自分からどんどん情報を提供したり、「休暇は何してたの?」と質問をしたりしてコミュニケーションの量を増やしていきましょう。

リーダーの寝不足と部下の寝不足が壊す、お互いの信頼関係

一説によると、リーダーが寝不足の場合パワハラやセクハラが増え、部下が寝不足の場合リーダーを尊敬できなくなるといわれています。部下がどんなに頑張ってもリーダーが寝不足でパワハラやセクハラは増えてしまえば当然職場のソーシャル・キャピタルは失われてしまいますし、リーダーが精一杯頑張っても部下が寝不足だと、やる気が出ないうえにリーダーの言うことに対して反抗的になりチームの輪が乱れてしまうなど・・・・これでは生産性の高い業務を遂行することは難しいですし、なによりも労働者の精神的な負担が大きいですよね。
生産性が高い企業づくりの基盤は、「昼間はしっかりコミュニケーションをとり、夜はぐっすり眠ること」。ぜひ、心がけてくださいね。

19.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】エグゼクティブが実践する「パワーナップ」習慣

皆さん、こんにちは。

一昔前までは「昼寝」というと「怠けている」、「サボリ」「健康被害のリスクを高める」などと思われてきましたが、実は短めの昼寝習慣は心身の健康維持に非常に有効であることが分かっています。実際、アメリカでは昼寝のことを「パワーナップ」と呼び、脳と体にパワーを取り戻すビジネススキルとしてエグゼクティブたちに広く浸透しているのです。また、認知症の予防にも効果があるともいわれています。

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身体と心にエネルギーを充電できるお昼寝習慣は「パワーナップ」と呼ばれる

体温が下がる午後の2時~4時は眠気が強くなるナップゾーン(昼寝帯)。古今東西問わず、この時間帯は眠気をやり過ごす必要があるということで、アメリカにはコーヒーブレイク、イギリスではアフタヌーンティーなどの習慣があり、日本でもおやつタイムとして認識されていますよね。地中海沿岸や南米などでは「シエスタ」と呼ぶ昼寝の習慣があり、日本でも昼寝を推奨している企業も一部ありますが、まだ一般的には習慣としては根付いていません。それ故に、なんとか必死に気合で乗り切ろう、ガムを噛んだりタバコを吸ったりして眠気と戦おうと睡魔と奮闘している方も多いと思います。

昼食後の15分仮眠は生産性と健康レベルを引き上げる

眠気が強い状態だと、思考回路が停止状態になり、頭が働かなくなるというような経験、皆さんもありませんか?集中力や発想力などが落ちることと併せて、なんと自分の成果を過小評価する傾向が強まり達成感まで下がるといわれているのです。
しかし、座った姿勢のまま15~20分の昼寝をとるだけで、その後の眠気をすっきり除去したり、日頃の睡眠不足の蓄積を解消したり、午前中の脳の疲労回復が促されたりして、その後の作業能力が改善されることが報告されています。

今日からオフィスでできる、正しい「昼寝」メソッド

オフィスで働いている方は、昼食を食べたらチョコレートをひとかけら、あるいはコーヒーを飲むなどカフェインを含むものを摂り、歯を磨いて自分の席に戻ったら目を瞑る方法がもっともおすすめです。カフェインは摂取後約30分程度で効き始めるので、ちょうどお昼寝終了後に効果を発揮し、さわやかな目覚めを後押ししてくれます。最初は周囲の音などが気になって眠れないと思いますが、まずは目を閉じているだけ大丈夫です。
家にいるときでも、なるべく横にはならずに座った姿勢のままで目を閉じてリラックスするようにしたほうが起きやすいのでベター。1時間以上眠ってしまったり、15時以降に眠ってしまったりすると体のリズムが乱れたり、その日の夜の睡眠に悪影響が及ぼされたりしてしまうので、休日でもお昼寝の時間は守りましょう。

18.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】眠気を計画的に管理することで仕事の質を高める

皆さん、こんにちは。

以前会社勤めをしていた頃、先輩が「眠くて眠くて、はっと気がついたらワードに何故か「アイスクリーム」と打ち込んでいた。」と言っていて、とても驚いた記憶があります。また、「眠くて一瞬意識が飛んでしまい、ふっと目が覚めてPCの画面を見たら「あああああああああああああああああああああああああああああああ」と連打されていた」という人もいました。
やる気はあるのだけれど、どうしても襲ってくる眠気。
この眠気を計画的に管理することは労働生活の質向上に直結することが分かっています。

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「眠気」は自分でコントロールすることができる

夕方にかけて瞼がどんどん重くなり、焦点がぼやけ始め、いよいよ集中力が途切れてしまうという経験、誰しも1度はあると思います。これが大事な会議中だったら大変。周囲への印象も悪くなってしまいかねません。眠気は勝手にやってくる生理現象だから仕方がないと諦めている方もいらっしゃるかもしれませんが、意識をすることである程度コントロールすることができます。ただし、大前提として「夜間の睡眠習慣をきちんと意識している」ということがもちろん重要です。短時間睡眠や不規則な生活をしていても日中の眠気を管理することができる、というわけでは残念ながらありません。

「予防的仮眠」で事前に眠気を除去

午後の体温が低下したタイミングで訪れる眠気を事前に除去する目的でとる「予防的仮眠」をとることで、耐え難い眠気に対処する方法はとても有効です。午後の眠気が解消されることで、事故やミスを防いで生産性を上げるだけでなく、精神衛生を良好に保てるようになるので、まさに一石三鳥。長い仮眠をとると深い眠りへと入ってしまい、その後覚醒したあとなかなかエンジンが入らない状態になってしまうので、15~20分程度で留めておきましょう。また、夜勤などがある場合も業務前に「予防的仮眠」をとっておくことが大切になります。

有効な眠気予防法で主観的な眠気を除去する

よく知られている眠気除去法といえば、「カフェインの摂取」でしょう。カフェインの覚醒効果は科学的にも証明されており、カフェイン接種後は覚醒水準が上昇し、自動車運転のシュミレーターでの成績が向上する(車体の揺れが少なくなる)という報告もあるのです。それ以外の方法で日常的に私たちが行う眠気対策として、ガムを噛む、冷風に当たる、歩く、人と話す、運動するなどがあります。ただし、これらの眠気予防法の効果は短時間であり、主観的な眠気を減らすことはできても、作業成績を改善することはできないといわれているのです。つまり、本人は眠気を感じていなくても、パフォーマンスとしては著しく低下しているといこと。
主観的な眠気だけが減ることで「眠気の過小評価」につながり、結果として労働現場における事故が引き起こされるキッカケになる可能性が示唆されていますから、今後あらゆる角度からの検証と、労働者と労働環境の安全を守るための適切なソルーションが求められます。
夜間の睡眠を十分確保することを意識したうえで、必要であれば仮眠やカフェイン摂取などの習慣を取り入れ、心身の健康と安全の両方を確保しましょう。

17.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】営業マン必読!第一印象で得する顔になる!

皆さん、こんにちは。

アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した「人の印象は見た目で決まる」というメラビアンの法則によると、第一印象はわずか3~5秒で決まるそうです。第一印象を決める情報の55%が見た目などの視覚情報が占めており、声のトーンや話し方は38%、話の内容はわずか7%。パッと受けた第一印象が自分自身の評価として相手に定着してしまうことも多く、商談やお見合い、面接などあらゆるシーンでチャンスを逃さないためには、一瞬で自分が相手に与えるイメージを損なわないようにすることが求められます。

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昨日の睡眠が、相手に与える自分の魅力度と健康度の印象を決める

2010年の特集号に英国医学雑誌に掲載された論文で、睡眠が健康と美容に与える影響を調べたユニークな研究が紹介されたそうです。対象者はスウェーデンの健康な成人23人(18歳~31歳)で、顔写真を1人2枚撮影。1枚は8時間以上睡眠をとった翌日の午後2~3時に撮影し、もう1枚は1日目に5時間しか眠らず、さらに2日目は徹夜をして3日目の午後2~3時に撮影しました。その後、その2枚の写真を65人の評価者にランダムな順番で6秒ずつ見せて、「健康度」「疲労度」「魅力」を評価してもらった結果、なんと睡眠不足の後の写真は、8時間以上眠った後の写真と比べ、健康度と魅力度の得点が低く、疲労度の得点が高くなりました。
たった1日、2日の寝不足でも、「なんだか疲れていて元気がなさそう」「あまり魅力的に感じない」などといった印象を周囲に与えているのです。

「たかが睡眠、されど睡眠」チャンスを余すこと無く掴むためには?

想像してください。両目が真っ赤に充血していて、心身ともに疲れきっていそうな人とお仕事を一緒にしてみたいとは思わないですよね?顔色が悪くてなんだか体調も良好でなさそうなときは、今後の仕事の展開を考える前に、病院を紹介したくなってしまいそうです。
同じ内容でも、活き活きと働いていて目に力が宿っている人であれば、無条件に「なんだか面白い展開になりそう!」「一緒に仕事がしてみたい!」という気持ちになりませんか?
大切な商談などの前はつい気合が入り過ぎて睡眠時間を削って準備するという人も少なくないと思いますが、大切な商談の前だからこそしっかり睡眠時間を確保して身体と心をメンテナスし、翌日ハイパフォーマンスを発揮できるようにパワーを充電する必要があるのです。
相手に与える印象が悪かった場合、そのイメージを覆すためにはある程度の時間がかかってしまいます。その時間は無いほうが無駄がないですし、一発勝負のときにはその時間がもらえないこともあるので、とにかく第一印象をよくすることが大切。
すべてのチャンスを掴むためにも、睡眠習慣を疎かにしないように気を付けましょう。

16.【睡眠健康経営:Workplace Wellness Design】「眠る技術」を身につけ、「眠る力」を育む

皆さん、こんにちは。

私たちは「睡眠」について学び、眠るための技術を習得する機会を得られないまま大人になりました。従って、「眠ることのメリット」、「眠らないことのリスク」を知ることなく、むしろ、「睡眠時間=無駄な時間」という誤った認識を抱いたまま身を削って働いているのです。

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眠る力を得ることは、生き抜く力を得ること

「寝る間を惜しんで働く文化」であった日本は、実際、世界的にみても労働時間は長くて睡眠時間は短い国。「忙しくて寝てないんだよね」という「寝る時間がないほど忙しい自慢」を挨拶代わりにする人も昔は今より多かったですよね。しかし、ある睡眠の先生は、「寝る間もないほど仕事をしているというのは、時間内に仕事を終らせる能力がない人間ですと言っているのと同じことで、自慢にならないどころかとても恥ずかしいこと」と、キッパリ言い切っておられました。本当に仕事のボリュームが多くて時間内に収めるのが難しいケースも中にはあると思いますが、確かに睡眠時間がとれていない場合はあらゆる角度から生産性が低下することが科学的に分かってきているので、「デキナイ人」というレッテルを貼られないためにも、「寝てない自慢」はしないほうがベターですね。

企業の成長のために、社員に眠る技術を広め、眠る力を養わせることが必要

WHOも「No Business Wealth without Worker’s Health」というスローガンを掲げているとおり、社員1人1人の健康があるからこそ企業に富を生ませることができるのです。ストレスケアや食生活の改善、運動習慣の実践などに取り組まれている企業様は増えていますが、睡眠に関しても改善と実践が欠かせません。就寝前に行うべきこと、起床後に行うべきこと、食事の内容と眠りのメカニズム、眠れる空間づくり、日中の行いについてなど、快眠を得るための具体的な手法を学び、実践していくことで本人の主観的な健康感や幸福感だけでなく、業務遂行レベルやコミュニケーションレベルなどもぐっと高まります。

「睡眠時間はプライベートな時間だから」と切り離すのではなく、睡眠時間がきちんと充実できているからこそ、翌日仕事で高いパフォーマンスが発揮できるのだということを理解して、社員全員に睡眠改善の必要性と重要性、そして具体的なメソッドを知っていただける機会をこれから更に多くの企業様がもってくださると嬉しいなと思います。

睡眠改善による健康経営プログラム Workplace Wellness Design

株式会社SEA Trinityは企業様や団体様の従業員の睡眠改善による健康管理プログラム「Workplace Wellness Design」を展開しております。

睡眠改善による健康経営プログラム Workplace Wellness Design
http://tomononao.com/wellness-program/

これまで様々な企業様や団体様へ睡眠研修を行ってまいりましたが、本プログラムでは睡眠研修に加え、健康経営診断・睡眠診断・生産性レベル診断など の状況に基づき、心理カウンセリングや運動などの研修も行い、 社員の健康と、生産性の向上、利益率の向上、コストの削減などによる企業の活性を目に見える結果として導き出します。

これまでなかった「睡眠改善」からアプローチする健康経営プログラムは、仕事の安全性と生産性の向上、社員の健康とモチベーション向上、職業生活の充実、そして仕事と過程の調和を実現し、個人と企業の両面における質的向上を目的としています。科学的な理論・根拠に基づき、御社に合わせたプログラムのご提案を行い無理なく進めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。