49. 『睡眠周期』から眠りを考える

皆さん、こんにちは。

1度は聞いたことがあって誰もが当たり前のように信じているけど、でも実は科学的な根拠は全くないという、いわゆる睡眠都市伝説が巷には溢れています。講演などでお話をして驚かれるのが、「眠りは90分サイクルで考えるべき」という説はサイエンティフィックに解明されているわけではないというお話です。

%e3%82%8a%e3%81%99%e3%82%80睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2つから構成されており、これらが交互に出現し朝を迎えるのでうすが、このサイクルが90分であるという根拠で語り継がれています。
90分、つまり1.5時間という単位で睡眠時間をみてみると、4.5時間、6時間、7.5時間になります。まず、そもそも4.5時間は睡眠時間としては短すぎるので論外です。理想の睡眠時間には個人差があり、科学的な根拠はありませんが、心身野健康面や仕事のパフォーマンスなどを考慮すると、やはりミニマムでも6時間は眠っていただきたいです。たまに「7時間眠れる時間はありますが、90分の倍数で考えて6時間半で起きるようにしたほうがいいですよね?!」とご質問いただくことがあります。
答えはもちろん「NO」です。

睡眠の90分神話に惑わされない眠り方

睡眠周期は「おおよそ90分」のとされていますが、それよりも短いこともあれば長いこともあることがこれまでの実験でも分かっています。80分代の人もいれば100分代の人もいるし、一晩の中でも長さが変わることはよくあるので、必ずしも全ての人が「90分サイクル」に当てはまるわけでもありません。つまり、90分の倍数を計算して睡眠時間と起床時間を考えるくらいなら、その分少しでも早くベッドに入って1分でも多く睡眠時間を確保したほうが、身体にとっても心にとっても脳にとっても有益だといえます。
また、「90分の倍数で睡眠時間を考えるとちょうど浅いレム睡眠のタイミングで起きることができるから目覚めがスッキリする」という説もよく耳にしますが、どのみち朝型にかけてはレム睡眠の出現量は増えているので、90分の倍数でわざわざ考える必要はありません。それよりも、自分に合った適切な睡眠の「量(時間)」が確保されていることと、適切な睡眠の「質」が確保されているという2点が満たされることで目覚め感は格段に上がります。
どうしても夜はダラダラ過ごしてしまって睡眠時間が遅くなってしまうという人の場合は、毎日10分ずつで良いので早く就床するよう心がけるところから始めてくださいね。その際、ベッドにスマホを持ち込むなどの眠りを妨げるような行為はしないよう、注意しましょう。



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