皆さん、こんにちは。
毎日の睡眠不足が借金のように蓄積されていく、これを睡眠専門用語で「睡眠負債」といいます。昨年流行語大賞にもノミネートされましたね。日本はこの睡眠負債を抱える「睡眠不足症候群」の人たちが諸外国と比較すると際立って多い睡眠偏差値の低い国であることが明らかになっています。「睡眠負債」の恐ろしさは多方面にわたりますが、まず自分自身が「寝不足だ」という自覚がないところが恐ろしいところ。自覚がないまま、ボディブローのようにジワジワと心、身体、脳が蝕まれていくのです。
命を蝕む「睡眠負債」の恐ろしさ
イギリスの非営利研究機関「ランド・ヨーロッパ」の研究は、1日の平均睡眠時間が6時間を下回る人は、睡眠時間が7~9 時間の人と比較して死亡率が13%増加すると報告しています。もう少し身近なところでは、米カリフォルニア大学が18~55歳までの健康な男女164名を対象に行った研究で、1日の睡眠時間が6時間以下の場合、7時間以上眠っている人 に比べて風邪をひくリスクが4.24倍高くなるという研究報告がありました。
「たかが風邪」といって侮っていてはいけません。免疫力が低下しているということは、風邪以外にも新型インフルエンザやノロウィルスなど、様々な怖い感染症にかかる可能性も高まるということです。また、免疫力の低下は「体内の異物と闘う力が落ちる」ということなので、がんやアレルギーの悪化にもつながってしまう危険性が潜んでいます。
実際、インフルエンザなどにかからないよう、毎年冬になるとインフルエンザの予防ワクチンを摂取する方も多いと思いますが、実は睡眠不足の場合、ワクチンの有効性が11.5倍も低くなることも明らかになっているのです。
チェックで分かる!あなたは睡眠負債認定レベル
まずは自分は睡眠負債を抱えているかを「知る」ことが改善のための大切な一歩です。下記チェックリストにいくつ当てはまるか、試してみましょう。
- 休日になると、平日のプラス2時間以上起床時刻が遅くなる
- 午前中の会議や移動で眠気に襲われる
- ベッドに入ったら5分以内に眠れる
- ベッドに入ってから30分以上眠れない
- 起きたい時刻よりも2時間以上早く目が覚め、そこから眠れない
- 夜中に目が覚め、そこから眠れない
- 十分な睡眠時間がとれていると思わない
- 「よく眠れた」という実感がもてない
- すっきりした気分で起床できない
- 日中の身体的、あるいは精神的な活動・意欲レベルが落ちている
- 日中の仕事や学業に対する集中力が維持できない
[睡眠負債度チェック!結果]
■0~2個:睡眠負債予備軍タイプ
少しずつ蓄積する「負債」に注意すべし!
まだ自分では「睡眠負債が溜まっている」という自覚はないけれど、実はじわじわ蓄積されているのがこのタイプ。身体や心に起こる小さな変化を見落としたまま放置すると、後で大きな代償を払わなくてはいけなくなってしまいます。睡眠負債を蓄積させないことと併せて、熟睡できる具体的なメソッドもどんどん取り入れていきましょう。
■3~7個:睡眠負債者認定タイプ
「負債」がもたらす悪循環を直ちにストップすべし!
なんとなく疲れている、絶好調ではないという自覚はあるものの、忙しさなどを理由に睡
眠改善を後回しにしている人が多いのがこのタイプ。睡眠の負債は毎日どんどん蓄積される一方なので、このままでは睡眠負債がもたらす負のスパイラルに飲み込まれてしまいます。深刻な自体になる前に、自分の睡眠を含めた生活全般を見直しましょう。
■8~11個:危険レベル!深刻睡眠負債者タイプ
一刻も早く正しい睡眠習慣を取り入れ「負債」を返済すべし!
体調面や精神面の調子が悪く、仕事でもミスをするなど生産性が低い状態に悩んでいる人が多いのがこのタイプ。既に対策を講じているものの成果がともなっていなかったり、なんとか気合で乗り切ろうとしたりしていませんか?正しい睡眠習慣や睡眠負債の返済法を直ちに取り入れ、健康と高いパフォーマンス力を取り戻しましょう。
睡眠負債は心身の健康ダメージだけでなく、昼間のパフォーマンスにも大きなダメージを及ぼします。睡眠時間の確保は健康づくりの基盤、ビジネルスキルのひとつだと心得、睡眠時間の確保から1日のタイムスケジュールを組むように心がけましょう。