眠りが「パニック障害」を克服してくれたお話

皆さん、こんにちは。

日々様々な方とお話をさせていただく中で、少しでも苦しんでいる方のお役に立てればと思い、今日は私自身のお話をさせていただきます。
本日は、長文で失礼します。

書籍や様々なメディアでも少し触れさせていただいておりますが、私はもともと重度のパニック障害を患っておりました。

当時は今のようにパニック障害がここまで一般的に認知されておらず、私もその存在を全く知りませんでした。昼下がりに友人と都内でお茶を飲んでいたら急に苦しくなり、そのまま病院へ搬送され、そこで「パニック障害」だと言われたことで、初めてその名前を知りました。
そこからはレストランやカフエが怖くなり、酷いときには準備しても家を出る寸前で倒れてしまったり、頑張って外出しても街中で倒れ込んでしまうことも多くありました。「このまま死ぬかも」と思うような苦しい発作は毎回なんの予告もなしに突然やってくるため、いつ発作が来るか分からない恐怖と常に戦い続ける日々。「生きていることが辛い」と心底思ってしまうほどの恐怖レベルで、1秒1秒生きた心地がしなかったことを覚えています。息を吸うことも、階段をのぼって心拍数を上げることも、水を飲むことも、快速電車に乗ることも、車などの狭い空間に身をおくことも、全て恐怖に感じていました。発作が来ると心臓が口から飛び出しそうな激しい動悸に襲われるので、その瞬間に怯えながら常に耳を澄まして自分の鼓動の音を聞いていたように記憶しています。

20代前半から後半までの数年間、パニック障害と戦い続けましたが、時折緩和してはまた悪化してを繰り替えし、アラサーに差し掛かったときにはかなり酷い状況に再び陥ってしまっていました。このとき、母から「まずはしっかり寝てみたら?」と言われたことが、睡眠改善の大きなキッカケとなったのです。

今のように睡眠の情報が巷になかったため、ない知識の中で睡眠時間を色々と調整してみて自分に合った睡眠時間を見つけ出したり、様々な寝具や習慣を試したりして睡眠を改善するための行いに地道に取り組んだ結果、すぐではありませんが明らかに発作の回数が減り、倒れ込むような大きな発作は来なくなりました。現在、睡眠改善に取り組んでから10年経ちますが、完全に完治しています。
正直、普段は大丈夫でも、妊娠期のつわりや、出産のとき、産後のホルモンバランスが崩れているときや大変な時期は大丈夫だろうかととても心配したのですが、結局一切何も起こらず、完全完治を実感しました。

私の場合は就寝中にも発作が起こり、苦しくて飛び起きることが度々あったので、睡眠改善の道のりは少々長距離走でしたが、少しずつでも快眠習慣を取り入れ、続けていくことでゆっくりと、しかし確実に熟睡できるようになり、起床時の気分や昼間のQOLも明らかに良くなっていることが感じられました。

パニック障害以外にも、睡眠を改善したことで15kg以上痩せたとか、アトピーが改善されたとか、風邪をひかなくなったとか、PMSがなくなり生理もきちんとくるようになったとか、本当に心と身体が完全に生まれ変わったと感じる出来事が次々と起こり、この奇跡があまりにも不思議だったので、科学的に睡眠を学び、研究する道に進むことになりました。

そして今、睡眠のもつ力というか、魔法をしっかりとサイエンティフィックに理解し、自分の身に起こった数々の出来事が全て偶然ではなかったのだと納得しています。

夢も希望ももてないアラサーニートだった私がここまで健康になり、前向きに今を生きられているのは、睡眠を改善したおかげだと心から思っています。もし今、苦しんでいる方がいたら、まずは睡眠を見直していただきたいです。
パニック障害で苦しんでいた日々は、まるで出口のない真っ暗なトンネルの中にいるような恐怖の日々でしたが、眠りを見直したことで、ちゃんとトンネルの出口を見つけることができました。
諦めないで、絶望しないで、そして、焦らないで、まずはいい睡眠がとれるように、生活のリズムや寝具や寝室や習慣を見直してみませんか?
どんな小さなことでも、無理なく続けられることから始めて、続けてみましょう。
例えば、

・就寝1時間前に38~40℃のぬるめのお湯で全身浴をする

・就寝1時間前になったら、空間をやや暗めの暖色系の照明に切り替える

・就寝30分前からは、テレビ、スマホ、PCの画面は見ない

・パジャマを着て眠る

・枕、マットレスが身体に合っているか見直す

・布団は羽毛布団を使う

・就寝前に軽く胸を開くようなストレッチや深呼吸をする

・起床後真っ先に窓際1m以内に立って、目の中に光を15秒間入れる

・朝食にバナナを食べる

など。自分が「これならできそう!」と思うものからで良いので、取り入れてみてくださいね。



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