74. 産後の寝不足は〇年間も続く!

皆さん、こんにちは。

我が子の誕生はこの上なく喜ばしく、幸せなことですが、誕生したその日からママとパパの眠れぬ日々は始まります。
抱っこだと寝てくれるのにベッドに置くと背中にスイッチがあるかのように起きる、1時間ごとに起こされて寝る間もない、夜泣きがひどくてずっと抱っこなど。
子育てと睡眠問題は切っても切り離せない関係にあるのです。

ママ、パパの寝不足は6年間にわたり続く

イギリスのワーウィック大学、アメリカのウエストバージニア大学、ドイツ経済研究所が協力し、ドイツ人を対象として行った研究の結果によると、母親の睡眠は妊娠前と比較して第一子誕生後の3か月間で62分減少し、睡眠満足度も下がっていました。また、父親も母親ほどではないものの、13分減少し、やはり睡眠満足度も低下しました。4~6歳時点では母親の睡眠時間は妊娠前と比べて22分減少とやや回復傾向にはあるものの、依然として妊娠前の時間や満足度には届きません。父親に関してはこの時点で14分減少と、むしろ悪化していると報告されています。

子供の夜泣きがなくなったあとも長期間にわたり親の睡眠不足が続く理由として、「子どもが大きくなっても親としての義務、責任、緊張、心配などはついて回るからではないか」という考察があります。

ママ、パパの寝不足は世界共通の悩み

産後の睡眠問題は国籍問わず、世界共通の悩みであることがわかります。
日本人の場合、家事や育児、介護を担う割合が男性よりも圧倒的に多いという報告もあり、高齢出産が増えた今、育児と介護のダブルケアに悩む方もいることでしょう。また、日本は海外ほどアウトソーシングの文化も精通しておらず、睡眠不足状態の中で自分1人ですべてをこなそうと努力されている方もいます。
ただでさえ年齢が重なると良質な睡眠がとりずらくなることが指摘されているので、体や心への負担は計り知れません。
「子供が昼寝をしたときに家事を終わらせようとしてしまう」という話をよく耳にしますが、たまには一緒に横になって休むことも必要です。すべてをしっかりきっちりやろうとしないこと、自分の「理想像」とそのまま「目標」にしないこと、1日1回は自分の体や心の声に耳を傾けること。

十分に眠れない日々が続くこと疲れを感じたり、イライラしやすくなるのは当然です。そういう日がきたときには自分を責めず、「今は眠りを欲しているタイミングなんだな」というメッセージを受け取り、時間をみつけて休むように心がけてくださいね。

73. 片鼻式呼吸法を実践! 鼻のつまりで自分のおやすみモードレベルをセルフチェック!

皆さん、こんにちは。

就寝前の過ごし方は睡眠の質にダイレクトに影響を及ぼします。
夜のおやすみ支度の中にぜひ取り入れていただきたいのは、丁寧な呼吸。
特に、ヨガの呼吸法のひとつである「片鼻式呼吸法」は就寝前の呼吸法としておすすめです。

片鼻式呼吸法のやりかた

鼻孔を出入りする空気の流れをじっくり感じながらゆっくりと行う呼吸は休息モードをオンにしてくれる副交感神経とつながっており、ストレス解消、脳のリラックス、精神安定、自律神経の調整などの効果が期待できます。まず、安楽坐のポジションで片手はおへそから指3本分下にある丹田、もう一方は膝の上に軽く置き、背骨から頭まで一直線します。肩の力を抜き全身をリラックスさせたら、右手の人差し指と中指を折り曲げ、親指で右の鼻の穴を閉じ、左の鼻の穴からゆっくり息を吸いましょう。薬指で左の鼻の穴も軽く閉じて両鼻を軽く閉じ、今度は親指を離して右の鼻の穴からゆっくり息を吐きます。これを5回ずつ繰り返してください。

つまっている鼻で、自律神経のバランスがわかる?!

片方の鼻ずつ丁寧に丁寧に呼吸をしていると、どちらかの鼻のほうが逆の鼻と比べてつまっている感じがある!」ヨガの世界では、右の鼻は交感神経、左の鼻は副交感神経とつながっているといわれ、どちらかつまっているほうが働きが弱くなっていると考えられています。
夜はなるべくリラックスモードの副交感神経が優位になっていてほしいので、左の鼻がスムーズにとおっていることが理想です。もしも、左鼻がつまっている感じがするなと感じたら、温かいハーブティーを飲むとか、足浴をするとか、ストレッチをするとか、大きな深呼吸を繰り返すなどして、意識的に自分の体と心を緊張から解きほぐすような行動をとりましょう。

呼吸は細く、長く、ゆっくりと行うこと。そして息を吐くことでリラックス効果は高まるので、しっかり吐き切ることは大切です。
深い呼吸を繰り返し行っていると心も安定してくるので、焦らずゆっくりと呼吸を味わいながら行ってくださいね。

72. 重症不眠者のQOLは心不全患者と同じレベル?!

皆さん、こんにちは。

睡眠はついついケアを怠りがちな生活習慣の代表です。
しかし「眠れない」がもたらす弊害は、体、心、脳、行動と、あらゆる方向へ向かうことが分かっています。
例えば、
・体がだるいなどの不調や病気のリスクの上昇
・感情抑制のコントロールができない、精神疾患のリスクの上昇
・記憶力の低下や思考力、集中力、判断力などの低下
・引きこもりがちになったり、生産性や成績が落ちたりする

これまでの研究では、睡眠とQOL(Quality of Life : 生活の質)との関連も調べられています。

重症不眠者のQOLは、心不全の患者と同等レベルかそれ以下である

QOLと不眠の関係を調査した研究では、不眠は社会生活機能全般に影響を及ぼすことが報告されています。不眠によって集中力や木起き力だけでなく、昼間の仕事をやり遂げる能力や他人との関わりを楽しむ能力まで低下することが分かっているのです。
さらに驚くことに、イギリスの研究では、重症の不眠患者のQOLの水準は心不全の患者と同じレベルか、それ以下であることも指摘しています。「眠れない」を軽視して対処せずにほおっておいてしまうと、重症化したときには想像以上のダメージが心身や生活に及ぼされるということがお分かりいただけるでしょう。

日本人の5人に1人が睡眠に悩んでいる

不眠症は睡眠障害の中に含まれる1つで、最も頻度が高いといわれています。
不眠症の症状は、なかなか寝付けない入眠障害や夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒、ぐっすり眠れない熟眠障害、起きたい時間よりも早く目が覚めてしまう早朝覚醒などの4部類に分けられますが、これらは混在しているケースが多くみられます。
1997年に行われた調査では、日本の5人に1人が何かしらの不眠症状があると答えており、とても多くの人が睡眠に満足できていないことが分かりました。

睡眠はライフコース全般を通じて心身の健康を守る役割をし、子供においては心身、そして脳の成長に欠かせない重要な生活習慣です。
高いQOLで、体も心も健康にイキイキと過ごし日々を充実させるためには、毎日の良質な睡眠は絶対に欠かすことのできない習慣。
後回しにせず、睡眠に不調を感じたら放置せず、自分と眠りを向き合う時間を持つことを心がけ、時間が許す限り丁寧なおやすみ支度をしたり、睡眠環境を整えたりすることで満足のいく眠りを実現していきましょう。

71. 「本当に眠れる」寝室の色ベスト5

皆さん、こんにちは。

快眠のために光をコントロールしたり、ヨガや呼吸法を取り入れたり、食事の内容やタイミングを気を付けたりされていらっしゃる方も多いと思います。
ぐっすり眠るための寝室の環境づくりも気を配り、温湿度環境管理を徹底することや、寝具環境を見直すといった努力をされている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、意外と見落としがちなのが睡眠に関連する「色」への配慮。実は色と睡眠の間には深い関係があることが示唆されています。
皆さんの寝室は何色のトーンですか?

眠れる色ベスト1は「青色」

イギリスで、寝室の装飾色と睡眠時間の関連について大規模研究が行われました。この研究の報告によると、最も睡眠時間が長かったのは、7時間52分で「青色」でした。続いて、7時間40分の黄色(クリーム色)、7時間36分の緑色、7時間33分のシルバー、7時間28分のオレンジという結果でした。
確かに、赤い部屋に入ると脈拍・呼吸数・血圧が上昇する一方、青い部屋に入ると、脈拍・呼吸数・血圧が落ち着くといわれていることもあるとおり、青色には鎮静作用があり、リラックス感を促して結果として睡眠をサポートするということにつながるのかもしれません。

ワースト色とは2時間の差も!

一方、睡眠を妨げる色は紫色、茶色、灰色という結果でした。紫色は5時間56分、茶色は6時間5分、灰色は6時間12分と、すべて大幅に理想の睡眠時間とされる7時間を大幅に下回ります。
最も長く眠れる「青色の部屋」と最も睡眠を妨げる「紫色の部屋」を比較すると約2時間程度も差があり、驚きです。
しかも、紫色には悪夢との関連が考察されており、睡眠の時間だけでなく質低下の可能性も。

この研究はイギリスで行われたものであり、国によって馴染みのある色や好みの傾向も変わると思いますが、これまでの色々な研究報告を見てみても、寝室に青色は積極的に取り入れたほうが良さそうだということが言えるでしょう。
例えば、大きな面積を占める掛け布団のカバーや寝室のカーテン、あるいは就寝前から着用するパジャマなどのアイテムを青色系にするのが効率的ではないかと思います。
青は年齢や性別を問わず幅広く活躍できる色なので、夫婦やカップル、親子などで睡眠アイテムをお揃いにするなどの楽しみ方もできそうですね。

70. 朝から1日幸せになるために、「朝食に取り入れたい色」の食べ物とは?!

皆さん、こんにちは。

なかなか朝食を食べる気にならない。
朝から体も気分もぐったり。

そんなお悩み、抱えていませんか?
簡単に解決に導く、ちょっとしたアイデアをご紹介します。

黄色い食べ物は人を幸せな気持ちにする!

海外の研究では、落ち込んでいるときに幸せな気持ちになるための秘訣は「黄色い食べ物を食べること」という報告があります。
70%の人が黄色い食べ物を食べると幸福を感じるという結果が出ているのです。
中でも1番人気はオムレツ。61%の人がオムレツを食べることで幸福感を感じるというアンケート結果が出ています。それ以外だと、55%がマカロニチーズやバナナ、54%がパンケーキといった結果も。

そして、62%の人が「冷蔵庫の中に黄色い食べ物があってほしい」と回答しているのです!

バナナも卵も、朝に食べるのが良い理由とは?

朝から黄色い食材を摂ることで、気持ちがハッピーになって1日を気持ち良くスタートできるようになります。
しかし、それだけではありません。
バナナや卵には日中の意欲的な活動を後押しするために欠かせないセロトニンの材料となるトリプトファンが含まれています。セロトニンと呼ばれる脳内物質(神経伝達物質)が増えると、鎮静作用によって精神状態が落ち着いてイライラしにくくなるといわれています。このセロトニンは別名「元気の源」「幸せホルモン」「癒しホルモン」などと呼ばれている物質で、これがきちんと分泌されていると、落ち込んでいた気分を前向きでやる気に満たされると同時に、心を穏やかにしてバランスを整え、精神を安定させてくれる効果があるのです。
朝食でしっかり食べておくと、朝の幸福感だけでなく、日中の心の健康維持にもつながっていきます!

逆にセロトニンが欠乏してしまうと、ストレスと上手に向き合うことができなくなったり、イライラしやすくなったり、怒りっぽくなったり、意欲が低下したり。
不眠や心の病に悩まされたりしてしまうこともあるといわれています。

そして暗くなるとセロトニンは脳の中にある松果体という場所で別名「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンに変換され、良質な睡眠を促してくれるのです。
朝食からバナナや卵を食べることは24時間を通していいことだらけ。
ぜひ毎朝の習慣に取り入れてみてくださいね。

 

69. 笑う門には「快眠来る」

皆さん、こんにちは。

ストレス解消や健康維持には「笑うことが良い」というイメージを皆さんも既にお持ちだと思いますが、実際に科学的にも笑うことの効果は実証され始めています。皆さんは毎日、笑っていますか?

 

毎日笑う習慣がある人は、腹が立ちにくい人でもある!

日常生活においてほとんど笑う機会がない人は、ほぼ毎日笑う人と比較して腹が立つ頻度は2倍以上多く、ストレス解消法がある人は半数以下という結果が報告されています。また、笑う頻度は自覚的ストレスやうつ症状と強い関係性があることが明らかになっているのです。
「笑う」という行為はストレスの軽減だけでなく、脳内モルヒネとも呼ばれるほどの強力な鎮痛作用をもつ神経伝達物質「エンドルフィン」の増加を促し、痛みを緩和させてくれる働きもあります。
さらに、笑うことは「内臓のジョギング」ともいわれ、適度な運動効果も期待できるのです。

人はどんなときに最も笑うのか?

皆さんはどんなときに1番笑っていますか?秋田県と大阪府の地域住民4780名を対象とした「日常生活の中のどんな場面で1番笑うか?」という調査では、女性では「家族や友人と話しているとき」が82%と最も多く、この結果は男性でも同様でした。男女ともに誰かと会話をしているときが最も笑っているという結果をふまえると、いかに人と人とのつながりが重要であるかが分かります。
実際に人とのつながり(ソーシャル・キャピタル)レベルが高い人ほど寿命が長い、要介護リスクが低いなどの研究結果も多数報告されているのです。

仮に、特別笑えるような面白いことがなくても、口角を5mm意識的に上げてみましょう。感情は表情に連動して引き起こされるので、口角が上がることで自然と負の感情が収まり、楽しい気持ちや幸せな気持ちになることができます。慣れないうちニコちゃんマークのシールをいつも使用するパソコンの空いているスペースや、スマホのケースなど、よく目につくところに貼りましょう。「シールが見えたらニコッ」。これだけでリフレッシュしながら自らを「幸せの魔法」にかけることができます。「面白い」や「幸せ」といったポジティブな感情は死亡リスクを減らすことも分かっているので、笑顔の力を存分に活用しましょう。

68. 「ブルーマンデー」の原因は「社会的時差ボケ」か?

皆さん、こんにちは。

月曜日の朝、だるさを感じたり会社に行く意欲がわかなかったり、「ブルーマンデー症候群」に陥っていませんか?
ブルーマンデーの原因は、決して仕事が嫌いであるとか、出勤が面倒くさいということではなく、実は週末の過ごし方に原因が潜んでいるのです。

社会的時差ボケが発症していませんか?

・金曜日の夜は羽を伸ばして遅くまで飲み会やカラオケを楽しんでいる。

・土曜日、日曜日はお昼すぎまで眠っている。

・お休みの日は家でゴロゴロしたりゲームをしたりして過ごす。

・いつも週末は夜型生活になる。

上記4つとも思い当たる方は、ブルーマンデー症候群の可能性大ですが、このブルーマンデー症候群になってしまう背景には週末の「社会的時差ボケ」がある可能性が高いとされているのです。

海外に行くと「時差ボケ」の症状に悩まされる方も多いと思いますが、実は日本にいて普段の生活をしていながら「時差ボケ」になってしまう症状のことを「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」言います。

「社会的時差ボケ」は平日の睡眠時間が短く、それを補おうと休日にたっぷり眠る、いわゆる「寝だめ」をしている人に多くみられ、たっぷり睡眠時間をとることで身体に元気を取り戻そうとした行為が逆効果になってしまっているケースが少なくないのです。実際、社会的時差ボケは慢性的な睡眠不足状態が続く睡眠不足症候群の人に併発する傾向が高いという指摘があり、平日の睡眠時間に比べて休日に2時間以上長く眠ってしまうという方は注意が必要。

「ベッドに入って1秒もたたずに眠れる」とか「どこでも場所を選ばずに眠れる」ということを「自分は快眠者だ」と自慢げに話す人がいますが、これは誤った認識です。これらの状態は睡眠不足の裏返しであって、日頃から適正な睡眠時間や質が確保できていないことによる身体、脳、心の悲鳴なので、決して自慢できることではありません。

社会的時差ボケを防ぐ2つのルール

社会的時差ボケを防ぎ、ブルーマンデーを引き起こさないための「週末の過ごし方ルール」はたった2つです。

・休日の寝坊は平日のプラス2時間までに留める。

・日中は外出し、なるべく光を浴びて活動的に過ごす。

平日6時起きの人はどんなに遅くても8時には起床しましょう。起床時刻が2時間以上遅くなってしまうと、たっぷり眠って疲労回復したかと思いきや、体内時計が乱れてかえって週末に疲れを溜め込んでしまい心身の不調を感じる結果になってしまいます。また、起床後目の中に光が入ってから約14~16時間後に眠気が訪れるメカニズムが働くため、遅い起床はどんどん眠気が訪れるタイミングを後ろ倒しにし、夜更かしリズムを作り上げてしまいます。

たった2日間夜型生活を送っただけで、睡眠リズムは30~45分も後ろにずれてしまうともいわれているのです。

どんなに日曜日の就寝時刻が遅くても、月曜日に起床しなくてはいけない時刻は決まっているので、必然的に究極の睡眠不足状態が作り上げられてしまう、これがブルーマンデーの大きな原因になります。どうしてもプラス2時間では起きられないという人は、平日の起床時刻からプラス1~2時間程度の時間に一旦起きて、太陽の光を目に入れて朝食を食べることがポイント。その後、のんびり過ごすなどして午前中に軽く早めの昼寝をとるようにします。ただしあまり長い時間寝てしまうと結局身体のだるさなどにつながってしまうので、自分の睡眠不足レベルに合わせて適切な時間に留めてください。少なくともランチまでには絶対に起きて、明るい環境でしっかりと食事を摂りましょう。

また、日中に光を浴びてセロトニンを活性化させ、活動することも大切です。以前カウンセリングを行った方で、ある特定の日だけ睡眠がうまくとれていないことがわかりました。よくよくお話を聞いていくと、眠れない日はいつもお休みの日で、1日中カーテンを締め切ってゲームをしているとのこと。光を浴びることなく1日が過ぎていくので、昼と夜のメリハリはつかず、夜の快眠が遠のいてしまっていたのです。休日に1日中ゴロゴロしたり、グータラ寝たりしている人よりも、外出して活動的に過ごしている人のほうが夜の快眠は確実に約束されますし、QOLも高く維持されます。

会いたい人に連絡をしてランチやお茶を一緒にしたり、行きたかったスポットへ足を伸ばしてみたり、気になっていたレジャーに参加してみたり、お休みで時間があるときだからこそ普段できない楽しいスケジュールを組んでみてはいかがでしょうか?

週末の過ごし方が1週間のスタートを決めます。起床時間や日中の過ごし方に気を配ることで、週末に疲れを「溜める」習慣から「解消する」習慣へ変えていきましょう。

67. 忙しい朝でも続けられる!快眠につながる「手もみジュース」

皆さん、こんにちは。

セロトニンと呼ばれる脳内物質(神経伝達物質)が増えると、鎮静作用によって精神状態が落ち着いてイライラしなくなり、よく眠れるようになります。このセロトニンは別名「元気の源」、または「癒しホルモン」と呼ばれている物質。これがきちんと分泌されていると、落ち込んでいた気分を前向きでやる気に満たされると同時に、心を穏やかにしてバランスを整えて精神を安定な状態に導いてくれるのです。いわば、自分自身で作り出せるストレス撃退の特効薬といえます。
このセロトニンは夜になると脳の松果体で睡眠ホルモンのメラトニンへと変換され、質の高い眠りへと誘ってくれる存在に。まさに24時間態勢で私たちの健康を支えてくれる存在で充実した毎日には欠かせないのです。

1日中私達をサポートし続けてくれるセロトニンは、タンパク質に含まれるトリプトファンという物質が原料となっています。トリプトファンを含むタンパク質が豊富な食材は、乳製品、卵、大豆製品、赤身魚などの魚介類、肉類、アボカド、バナナ、ナッツ類など。バランス良く食べるのが理想ですが、「忙しい朝の時間に丁寧に料理をしているヒマなんてない……」と思ってしまうのも当然です。

そこで私がおすすめしているのは、透明な袋1枚を使って美味しくできる「手もみジュース」。

手もみジュースのつくり方

火を使う必要もなければ、ジューサーなどの道具も用意しなくてOK。食材をひと口大のサイズにちぎって袋のなかに入れ、約1分、手でもみもみします。

これをグラスに移すだけで、美味しくて栄養たっぷりのフレッシュジュースができあがり。食材を手で揉むことで酵素の活性化にもつながり、健康と美容効果も抜群です。

 

私は袋を使っていますが、100円ショップではシリコンタイプの手もみジュース専用入れ物も売っているので、毎回袋を使うのがもったいない!という方はそういったものを使うのもおすすめです。

手もみジュースには「バナナ」を基本食材として使う

トリプトファンは炭水化物によって脳に運ばれ、ビタミンB6と合成することでセロトニンが生成されるため、セロトニンの合成には「トリプトファン」、「ビタミンB6」、「炭水化物」の3つの成分が欠かせません。この3つの成分が含まれている優秀食材なのが「バナナ」。そこで、手もみジュースを作るときには、バナナをメイン食材にもってくるのがおすすめです。お好みの組み合わせやバランスでオリジナルドリンクを試してみてくださいね。

◆バナナをベースにした手もみジュースによく合う食材

ヨーグルト/豆腐/イチゴ/キウイ/アボカド/レモン(絞り汁)/黒ごま/豆乳/きな粉/ブルーベリー……など

休日など、時間に少し余裕がもてそうな日はバランスの良い朝食をしっかりと食べるようにし、平日忙しくて朝食をとる時間がしっかりととれないときには、「コーヒーだけで済ます」、「菓子パンを頬張る」、「何も食べない」といったことをせず、快眠・健康・美容のためにも手もみジュースはきちんと摂るように心がけましょう。

 

66. 「短時間睡眠者」は寿命も健康寿命も短い

皆さん、こんにちは。

アメリカで行われた大規模な調査では、睡眠時間が6.5〜7.4時間と回答した人々が最も死亡率が低く、それより短くでも長くても死亡率が高まると報告しています。また、イギリスの非営利研究機関「ランド・ヨーロッパ」の研究では、1日の平均睡眠時間が6時間を下回る人は、睡眠時間が7~9 時間の人と比較して死亡率が13%増加すると報告。さらに、睡眠時間が7~8時間より短くなるほどに、あるいは長くなるほどにうつ病の罹患率が高くなるという報告もしているのです。

精神・身体の両方を蝕む睡眠不足

これまでの研究で、睡眠不足は身体的・精神的な病の罹患率を高めることが次々と明らかになっています。
例えば、

・国内で24,686人を対象に行った疫学調査では、睡眠時間が7~8時間より短くなっても長くなっても抑うつ状態は高まることを報告

・107756名を対象に平均9.5年間追跡調査をした睡眠時間と2型糖尿病の発症リスクの関係を調べる研究では、短時間睡眠者は7~8時間程度の睡眠者と比べて相対危険度が1.28倍、長時間睡眠者では1.48倍高くなることを報告

・153名の21歳から55歳を対象とした睡眠時間と免疫系の関係性を調査した研究では、睡眠が7時間未満の場合、8時間以上眠る人より約3倍風邪をひきやすくなることを報告

・4時間以下の短時間睡眠は7時間睡眠に比べて、女性で虚血性心疾患の死亡リスクが2.3倍、循環器疾患及びがん以外の死亡リスクは男女ともに1.5倍増加することを報告

・1041名の65歳以上の高齢者を3年にわたり追跡調査した結果では、「十分に睡眠がとれていない」人は認知症の発症リスクが睡眠がとれている人と比較して1.2倍高いことを報告

理想の睡眠時間差には遺伝子が関係?

これまでの睡眠疫学の研究から不適切な睡眠時間は高血圧・糖尿病・肥満などの生活習慣病やがん、精神疾患、認知症などの罹患率や死亡率を高めることが、これまでの様々な研究からサイエンティフィックに明かされているので、総合的に判断するとやはりミニマムでも7時間程度の睡眠時間を確保することが理想と考えられます。

ただし、理想の睡眠時間には個人差がるということは、ぜひとも知っておいたいただきたい事実です。例えば、10時間の長時間睡眠者だったと言われているアインシュタインは、多くの業績を残して76歳の長寿を全うしていますし、エジソンやナポレオンは3~4時間で十分なショートスリーパーだったといわれています。つまり、適切な睡眠時間は個人個人によって異なると言うことで、この適切な睡眠時間の差には遺伝的要因が関係しているとされています。

忙しい現代人はショートスリーパーに憧れる人がとても多いですが、真のショートスリーパーは全人口の5%程度しかいないそう。まれに自称ショートスリーパーの人がいますが、努力と気合で睡眠時間を削って頑張ろうとしている誤った認識を抱いた「エセショートスリーパー」である場合がほとんどです。無理やり睡眠時間を削ることは、健康、生産性、能力など、あらゆる「損失」につながることであり、日常生活にも多大なる弊害をもたらすため、賢い選択とは到底言えません。まずは7時間程度の睡眠時間の確保を目指すこと。そのためには睡眠時間から逆算してタイムスケジューリングを行い、生活の中で「なんとなく」過ごしている無駄な時間は極力排除するよう心がけましょう。

65. 午後のパフォーマンスも健康レベルも上がる!「パワーナップ(お昼寝)」習慣

皆さん、こんにちは。

「昼寝」=「怠けている」という印象が潜在意識にすり込まれている日本では、お昼寝の習慣はなかなか浸透しないのですが、アメリカでは「パワーナップ」と呼ばれ、脳と体にパワーを取り戻すビジネススキルとしてエグゼクティブたちにも積極的に取り入れられています。
なぜ仕事ができる人は昼寝をとるのか?
実は、昼寝をとることは身体にも、心にも、脳にも良い効果をもたらすことが科学的に証明されているのです。

様々な健康効果をもたらす「昼寝」の力

「サボリ」「無生産」など、お昼寝に対するネガティブな印象をもつ人がマジョリティであり、それ故に、襲ってくる眠気と戦ってなんとか必死に気合で乗り切ろうと、ガムを噛んだり、冷風に当たったり、タバコを吸ったりして睡魔と奮闘している方も多いと思います。しかし、これらの行いには主観的な眠気を減らす効果はあるものの非常に一時的であるうえに、作業成績を向上させる効果はありません。
「人目が気になってお昼寝など出来ない」というご意見をよく耳にしますが、しかし、昼寝はむしろ生産性を高めるため、自身の健康資産を高めるために積極的にとるべき習慣なのです。
昼寝は気分の改善や眠気の除去、脳の疲労を軽減、パフォーマンスの向上に役立つことがこれまで多くの研究から明らかになっています。さらには、認知症発症の危険性が5分の1以下に軽減されることや、心臓病死のリスクを37%低くするという研究結果も報告されているのです。また、日々の寝不足の蓄積である「睡眠負債」の返済サポート役も担っており、まさに昼寝は良いことづくめな習慣といえます。ただし、昼寝はとり方を間違えるとむしろ逆効果になることも。

守るべき「昼寝」のとり方ルール

まず、昼寝は15時までにとるということが1つ目のルールです。15時以降にとってしまうと、その日の夜間の主睡眠に悪影響が出てしまうため、NG。そして、2つ目のルールは15分~20分程度という昼寝の時間です。短い昼寝は認知症のリスクを減少させることは先に述べたとおりですが、1時間以上昼寝をとっている高齢者の認知症罹患リスクは、昼寝をとっていない人の2倍でした。また、1時間以上の昼寝は目覚め感を悪くすることも指摘されているので、おすすめできません。(高齢者の方は30分の昼寝時間が推奨されています。)
そして、昼寝をとる姿勢ですが、昼寝はあくまで仮眠ですので、横にはならずに椅子やソファに座った状態で眠る姿勢が良いでしょう。

会社での昼休み、なんとなくスマートフォンをいじっていたり、ネットサーフィンしていたりして時間を過ごしていませんか?この時間に潔く先行投資でお昼寝をとることで、健康レベルも午後の生産性レベルも圧倒的に上がります。無駄な残業や無駄なミスが減れば自分にとっても会社にとってもプラス。後ろめたい気持ちは一切もたず、堂々と正しい昼寝の習慣を積極的にとりいれて、その効果を存分に活かしてください。