54. 慢性的な不眠者は快眠者よりも『うつ病』になるリクスが40倍も高いことが判明

皆さん、こんにちは。

「うつ病」などを含めた精神疾患に苦しむ人の人口は年々増加傾向にあり、平成20年には精神疾患により医療機関にかかっている患者数は323万人にのぼりました。厚生労働省の調べによると日本国内の精神障害による欠勤の労働損失は9,468億9,400万円にもなると報告されています。以前は「うつ病は心の風邪」なんて呼ばれていましたが、そんな生易しいものではありません。
また、WHOの報告によれば、日常の健康な生活に支障をきたす疾患として2004年の段階では第3位に位置するうつ病が、2030年には第1位になると予測されており、大きな社会問題となっているのです。

うつ病発症・再発の危険因子としての睡眠障害が注目を集めており、これまでも睡眠とうつに関しては多くの研究がなされてきました。1989年、米国にて7954名の地域住民を対象に睡眠とうつの関連性を1年間にわたり追跡調査した疫学研究では、調査開始時点と1年後の再調査時の両方の時点で眠れていなかった人々は、眠れていた人々と比べてうつ病を発症する割合が約40倍も高かっという衝撃の結果を報告したのです。

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この研究では、うつ病以外にも不安症やその他の精神疾患、アルコールの乱用などのリスクも高まることが記されています。うつ病に随伴する最も一般的な睡眠障害は不眠で、うつ病患者の80%から85%程度で認められるといった報告もあるので、睡眠状態は心の健康を図る大切なバロメーターのひとつであることは間違いありません。

・朝起きたい時間よりも早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)
・夜中に何度も目が覚めてしまう(中途覚醒)
・なかなか寝付けない(入眠障害)

など、「いつもと違うな」と感じたら見過ごさず、自分の心や身体を声をゆっくり聴く時間を普段よりも多く持ちましょう。そして、もしも眠りを悪化させている習慣に身に覚えがある場合は(深酒・暴飲暴食・夜中までゲーム・休みをとらないなど)、直ちにその習慣を改め、まずは睡眠の時間を確保すること、そしてゆっくりお風呂に入ったり、軽く運動をするなどして気分をリラックスさせる習慣を取り入れてください。
心身は自律神経系・免疫系・内分泌系の3つのルートでつながっています。心のダメージは身体よりも見つけにくいですが、日々の睡眠を大切にすることで健康なメンタルを維持し、高いQOLをキープしていきましょう。

※Ford DE, Kamerow DB. Epidemiologic study of sleep disturbances and psychiatricdisorders. An opportunity for prevention? JAMA. 1989 Sep 15;262(11)

53. 労働生産性の損失額が休業よりも、さらに医療費よりも大きい「プレゼンティズム」とは一体?!

皆さん、こんにちは。

皆さんは出勤して退社するまでの仕事パフォーマンスについて、自分で満足できていますか?「なんだかだるい」「ちゃんと眠れていない」「朝から疲れている」そんな状態でも、思い切り熱が出ていたり病気で動けないといった限りは「会社を休む」ということは脳裏に浮かばない日本人がほとんどでしょう。ましてや忙しい時期なんて「休みます」なんて恐ろしくて言えない!というお声も聞こえてきそうです。

しかし、出勤している労働者の健康問題による労働遂行能力の低下を表すプレゼンティズム(presenteeism)が企業にもたらす損失は、なんと健康問題全般による休業を表すアブセンティズム(absenteeism) がもたらす損失や、医療費よりも大きいとの調査報告がアメリカではあるのです。
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不眠症は労働生産性の損失額が大きいプレゼンティズムの原因となる

プレゼンティズムを簡単に説明すると、「従業員が物質的には仕事場にいても、身体的・心理的な問題によって生産性が落ちている状態」。なんとか自分を奮い立たせて出勤はしたものの、集中できない、気力が湧かない、やる気が出ないなど、なかなか高いパフォーマンスを発揮できていない状況です。睡眠不足の状態での出勤も動労生産性を低下させる問題のひとつであり、海外の論文では不眠症がある場合、欠席するアブセンティズムも労働生産性が低下するプレゼンティズムも不眠症でない群と比較すると高くなることが明らかになっています。また、心身の健康やQOLなどにも悪影響が及ぼされることも報告されているのです。眠れないことによる心身へのダメージ→労働生産性の低下→残業の増加→睡眠不足→心身へのダメージといった悪循環を断ち切るため、企業における社員のための「睡眠衛生学」の研修があることは対策としてとても大切だといえます。

No Business Wealth Without Worker’s Health

私も企業様での講演の際よく引用させていただきますが、WHOはGlobal Healthy Workplace modelの中で「No Business Wealth Without Worker’s Health」というメッセージを伝えており、企業の発展、成長、利益増進のためには、まず大前提としてそこで働く人達の心身の健康が担保されていることが大切であると言っています。社員の健康のための投資は長い目で判断した際には結果としてコスト削減につながる戦略です。さらに、社会的なブランドイメージ向上にもつながり、また社員のモチベーション維持にもつながります。組織は人の集まりです。1人1人の身体的な、精神的な健康が守られることで社会全体の健康につながり、企業の利益向上だけに留まらない社会の課題解決にもつながることができます。高いパフォーマンスは心身の健康づくりから。日本人は休むことに対して苦手意識がとても強いですが、休むこともビジネススキルのひとつと考え、まずは夜の睡眠時間はしっかりとるところから始めてみませんか?

52. ぐっすり眠れる睡眠プロがもっている「5つの眠る力」とは?

皆さん、こんにちは。

昔から、「人は本来、毎日同じことを繰り返しているとその道のプロフェッショナルになれる。」と言われています。ピアニストも、トップアスリートも、バレエダンサーも、学者も、皆それぞれその道のプロフェッショナルとして活躍するために、毎日毎日多くの時間を費やして練習や勉学に励みます。だからそれぞれの世界でトップレベルになれるのですね。
毎日続けることといえば、「眠ること」もそうです。しかし、毎日続けていて、かつ多くの時間を費やす睡眠ですが、年々「眠る達人」は増えるどころか、「眠りベタ」な人が増える一方。

皆さんは、「自分には眠る力が備わっている」と思いますか?

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5大睡眠力が「熟眠」のキーファクター

自分に睡眠力があるか否かは下記5つの項目をチェックすることで分かりますので、皆さんもやってみてください。

①入眠力
就床して20分以内に眠れていますか?

②深眠力
午前中に眠気がきたり、日中過度の眠気に襲われて集中力が途切れるといたことはないですか?

③持眠力
夜中に何度も目が覚めるといったことはありませんか?

④完眠力
夜に眠って朝までまとまった睡眠をとるという時間は確保できていますか?

⑤起床力
朝はスムーズに気持ち良く起きられますか?

上記5つの質問に全て「はい」と答えられたあなたは「睡眠力あり」の優秀睡眠者です。
「いいえ」と答えた項目が1つでもある場合は、睡眠におけるスケジュールや質向上のための生活習慣を見直す必要があります。

精神的な要因・身体的な要因・環境的な要因を見直し、トラブルシューティングする

睡眠力が低下している背景として、ストレスなどの精神的な要因、痛みやアレルギー症状などの身体的な要因、あるいは寝具や光環境などを含めた環境的要因に何かしらの原因があると考えられます。自分の場合は一体何が原因として考えられるのか、1度自分の心や身体を声をじっくり聴きながら考え、対策をとっていきましょう。

・精神的な要因の場合:自分なりのストレス発散法をみつけましょう。(運動・マインドフルネス瞑想・ヨガ・ストレッチ・ヒーリング音楽など)
・身体的な要因の場合:自己判断ではなく医師に相談し、適切な対応をとるようにしましょう。
・環境的要因の場合:まずは寝具が身体にあっているかを確認し、パジャマを着て眠ること、なるべく暗く静かな環境をつくること、冷暖房を使って適切な温度管理をすることを心がけてみましょう。

眠る力を育むことは、健康力や生産性向上力を育むことにつながります。何歳からでも眠る力を育むことは可能なので、気付いた今こそ眠りを改善するチャンス!です。最初から完璧に快眠習慣を取り入れようと頑張りすぎず、できるところからマイペースに取り組んでくださいね。

51. 「85点未満」は要注意!あたなの睡眠は何点?すぐにできる「睡眠効率」の計算法

皆さん、こんにちは。

「良い眠りとは何ですか?」と聞かれたら、適切な睡眠の「量」が確保されていること、そして良質な睡眠の「質」が確保されていることの2点が挙げられます。適切な睡眠時間という表現はざっくりとしていて「いったい何時間眠ればいいのか分からない」と悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。この睡眠時間に関してはかなり個人差があり、「この時間がベスト!」とは、残念ながら科学的には言い切れないのです。
しかし、睡眠の質から自分の睡眠時間の目安を算出することができます。

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睡眠効率を計算して、自分の眠り得点を知ろう!

どのくらい効率的に眠れているかを算出する「睡眠効率」は、客観的に自分の眠りを知る上で大切な指標になります。方法はとても簡単なので、ぜひ皆さんもご自身の睡眠効率を計算してみてくださいね。

総睡眠時間(実際に眠っていた時間)÷総就床時間(ベッドの上にいた時間)×100

【例】
①夜ベッドに入った時間:0:00
②朝ベッドから出た時間:7:00
③実際に眠っていた時間:5:00

総睡眠時間⇒5
総就床時間⇒7
睡眠効率計算⇒5÷7×100=71.4
睡眠効率得点⇒71点

睡眠得点の合格ラインは「85点」

ベッドに入っても悩み事があって眠りにつくまでにとても時間がかかったり、早朝に目が覚めてそのまま眠れなかった等があった場合、当然、睡眠効率は悪い状態です。まずは自分の眠りがどのような状況にあるのか、睡眠効率の点数から知ることができます。

睡眠効率点数が85点未満の場合は、ベッドに入る時間を遅くして就床時間を短縮することから睡眠改善に取り組んでみましょう。睡眠の圧が高まり、睡眠の効率がぐっと上がるはずです。そして再び睡眠効率を計算し、得点が合格点である85点を超えたら、今度は就床する時間を15分早めてみてください。そうして、敢えて圧迫させた睡眠時間を少しずつ延長させ、自分に合った適切な睡眠時間を確保していただきたいと思います。

この睡眠効率を計算するにあたり睡眠日誌を活用することで、自分が何時に就床したのか、何時間程度眠ったのかなどを簡単に把握できるようになりますので、ぜひご活用ください。
本サイトではこれまでの睡眠日誌(簡易版)に加え、睡眠効率が計算できるバージョンもダウンロードできるようになりました。
どちらのバージョンも無料ですので、睡眠改善にお役立てください。

睡眠日誌のご紹介

50. 『7』を制するものは『美』を制する!睡眠における『7』の重要性とは?

皆さん、こんにちは。

昔から『ラッキーセブン』と呼ばれ、幸運なイメージの強い『7』という番号。実は、睡眠時間にキレイを育むための鍵となる番号でもあるのです。ぐっすり眠るために意識したい3つの『7』をご紹介します。

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睡眠時間の『7』

一般的にいわれる「8時間睡眠が健康に良い」という情報には科学的な根拠はなく、理想の睡眠時間には個人差があります。3時間で十分な人もいれば、9時間以上眠らないと調子が出ない人もいるので、「絶対にこの時間眠ってください」とは言い切れません。しかし、国内外の膨大な調査の結果、健康と美容には7時間程度の睡眠が必要であることが明らかになっています。7時間程度の睡眠をとる人はそれ以下の人やそれ以上の人と比較して寿命が長かったり、追跡調査の結果で体重・体脂肪・ウェストのサイズの変化が少なかったり、身体的・精神的な健康度合いが高かったりするのです。明日につながるキレイを育むためには『7時間就寝』を心がけるようにしましょう。

運動ゴールデンタイムの『7』

運動にはダイエット効果はもちろん、快眠促進効果があることも分かっています。とはいえ、快眠を得るためには運動を行うためのゴールデンタイムを守ることがお約束です。スムーズな入眠と、睡眠時間がエステ時間になるような質の高い眠りを叶えるためには、昨日就寝した時間から19時間後に運動するのがベスト。睡眠でキレイを実現するためには、日付が変わる0時までに就寝することが必要なので、運動のゴールデンタイムは夜の7時になります。この時間帯は体温が最も高く、覚醒度が高いため「睡眠禁止帯」とも呼ばれているほど。
この時間帯に運動を行って交感神経の働きを高め、体温を上昇させておくことで、その後、身体がおやすみモードに切り替わる働きを後押しし、リラックススイッチの副交感神経の働きも良くなります。毛細血管がよく開いて抹消まで血液がしっかりと行き渡るようになり、天然美容液と呼ばれる成長ホルモンが筋肉、皮膚、臓器などにきちんと届けられ、就寝中に全身を美しく蘇らせてくれるのです。
7時から前後1時間程度はゴールデンタイムとして考えてOKなので、18時~20時の間で20分程度の運動を行うように心がけましょう。

夕食時間の『7』

深部体温(内蔵体温)が下がっていることは、質の高い眠りを実現するうえで欠かせない要素です。夕食と就寝時間までの時間が短いと、消化器官が活発に動いている状態のまま眠ることになるので、眠りは浅く、本来就寝中に行われるはずの身体のメンテナンスが行われません。翌朝に疲れが残り、朝からゲッソリなんていう状況は避けたいですよね?夕食が夜食にならぬよう、睡眠4時間前までには食べ終えておく必要がありますが、仕事の都合なので「なかなか8時までには食べられない」という方も少なくないと思います。その場合には夕食を2回に分けて食べる「分食」がおすすめ。まずは夜の7時までにお腹に溜まりやすいものを食べておき、帰宅後お腹がすいているようであれば、春雨スープやヨーグルト、温野菜、ピクルスなど消化器官に負担のかからないものを少しだけ食べるという方法です。
夕食のとり方1つで睡眠の質も左右されるので、「今日は夕飯が遅くなりそうだな」と思ったら、まずは7時までにおにぎりやサンドイッチなどを食べるよう心がけましょう。

ハッピーをもたらす『7』を意識して、快適な眠りから毎日のハッピーを手に入れてくださいね。

49. 『睡眠周期』から眠りを考える

皆さん、こんにちは。

1度は聞いたことがあって誰もが当たり前のように信じているけど、でも実は科学的な根拠は全くないという、いわゆる睡眠都市伝説が巷には溢れています。講演などでお話をして驚かれるのが、「眠りは90分サイクルで考えるべき」という説はサイエンティフィックに解明されているわけではないというお話です。

%e3%82%8a%e3%81%99%e3%82%80睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠の2つから構成されており、これらが交互に出現し朝を迎えるのでうすが、このサイクルが90分であるという根拠で語り継がれています。
90分、つまり1.5時間という単位で睡眠時間をみてみると、4.5時間、6時間、7.5時間になります。まず、そもそも4.5時間は睡眠時間としては短すぎるので論外です。理想の睡眠時間には個人差があり、科学的な根拠はありませんが、心身野健康面や仕事のパフォーマンスなどを考慮すると、やはりミニマムでも6時間は眠っていただきたいです。たまに「7時間眠れる時間はありますが、90分の倍数で考えて6時間半で起きるようにしたほうがいいですよね?!」とご質問いただくことがあります。
答えはもちろん「NO」です。

睡眠の90分神話に惑わされない眠り方

睡眠周期は「おおよそ90分」のとされていますが、それよりも短いこともあれば長いこともあることがこれまでの実験でも分かっています。80分代の人もいれば100分代の人もいるし、一晩の中でも長さが変わることはよくあるので、必ずしも全ての人が「90分サイクル」に当てはまるわけでもありません。つまり、90分の倍数を計算して睡眠時間と起床時間を考えるくらいなら、その分少しでも早くベッドに入って1分でも多く睡眠時間を確保したほうが、身体にとっても心にとっても脳にとっても有益だといえます。
また、「90分の倍数で睡眠時間を考えるとちょうど浅いレム睡眠のタイミングで起きることができるから目覚めがスッキリする」という説もよく耳にしますが、どのみち朝型にかけてはレム睡眠の出現量は増えているので、90分の倍数でわざわざ考える必要はありません。それよりも、自分に合った適切な睡眠の「量(時間)」が確保されていることと、適切な睡眠の「質」が確保されているという2点が満たされることで目覚め感は格段に上がります。
どうしても夜はダラダラ過ごしてしまって睡眠時間が遅くなってしまうという人の場合は、毎日10分ずつで良いので早く就床するよう心がけるところから始めてくださいね。その際、ベッドにスマホを持ち込むなどの眠りを妨げるような行為はしないよう、注意しましょう。

48. 寒い冬にポカポカぐっすり眠る空間づくりの3大ポイント

皆さん、こんにちは。

寒さが厳しい冬、身体が冷えて上手に眠れないと悩む方も多いのではないでしょうか?今回は寒さを気にせず朝まで安心してぐっすり眠れるための空間づくりのポイントを3つご紹介します。

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窓からの冷気を遮断する

せっかく暖房などでお部屋を温めても、窓ガラスからどんどん熱が逃げてしまいます。暖かな空気を逃さず、冷気を防ぐためには窓際対策が必須です。
例えば、

・アルミマットなどの遮熱材を窓とカーテンの間に入れる。
・厚手(保温性の高い)で、床までしっかり届く長さのカーテンを使用する。
・内窓をつけて2重窓にする。
・断熱ガラス、断熱サッシを使用する。

など。

窓の内側に内窓をつけるためには数万円程度の予算が必要になりますが(窓の大きさなどにより異なる)、結露防止にも役立つうえに、長い目でみれば暖房代の節約にもつながるのでおすすめですよ。

床からの冷気を遮断する

フローリングの床は思っている以上に冷たいもの。冬はカーペットを敷いて、足先が冷えないように気を付けましょう。さらに、アルミマットなどの遮断熱をフローリングとカーペットの間に敷くと、より床からの冷気を遮断することができるので、室内の保温効果が高まります。なお、カーペットやカーテンなどの大きな面積を占めるアイテムに関してはオレンジや赤などの暖色系の色のものを選ぶと、視覚からも暖か効果を得られ一石二鳥です。ただし、寝室に関してはビビッとすぎる色合いはNGなので、暖色系の色の中でも薄めのオレンジやピンクなどにすると良いですよ。

サーキュレーターを使い、空気を循環させる

暖かい空気は上に溜まるため、暖房の活用と併せてサーキュレーターを活用するのが賢いあったか空間づくりのポイント。サーキュレーターがない場合は扇風機を使い、寝室内の空気を循環させるようにしましょう。また、朝は冬の朝は寒さでなかなかベッドから抜け出せないという経験、皆さんも1度はあるかと思いますが、エアコンのタイマーを起床1時間前に合わせて室温を上昇させるようにすると快適な目覚めが得られやすくなります。
冬は寒さと乾燥で風邪をひきやすくなったり、日照時間の短縮から気分が落ち込みやすくなったりするシーズン。ほっと安らげる暖かな空間でぐっすり眠ることで、今日の疲れを癒やし、明日のエネルギーをしっかりと充電してくださいね。

47. ぐっすり眠るために食べたい「アロマベジタブル」の正体とは?

皆さん、こんにちは。

ぐっすり眠ることと食事・運動(活動)は切っても切り離せない関係性にあります。睡眠にとって「何」を「どのタイミング」で食べるかはとても重要な要素。遅い時間にヘビーなものを食べると睡眠にとって良くないという事実は皆さんも1度は耳にしたことがあると思いますが、これは食べることにより消化器官が活発に動き出し、深部体温(内蔵の温度)が上昇してしまうためです。「夕食」が「夜食」にならぬよう、就寝3~4時間前までに夕食は食べ終えておくのが理想のタイミング。内容は極力ヘルシーで胃腸に負担のかからないものがベストなのですが、中でも「アロマベジタブル」は快眠促進効果が期待できるおすすめの食材です。

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食材の香りがもたらす快眠促進効果

セロリやパセリ、三つ葉、タマネギなどがもつ独特の臭気成分にはリラックスを促進する効果があるため、夕食時には積極的に摂りたい代表的な食材といえます。

●セロリ
セロリに含まれる「アピイン」という精油成分が精神を安定させ不眠症改善に有効といわれています。ただし、この精油成分は緑が濃い葉のほうに多く、白色の部分にはあまり含まれていないので、セロリは葉つきのまま食べましょう。

●パセリ
脇役になりがちですが、パセリに含まれる「アピオール」という精油成分が精神を安定させ不眠症改善に有効なのです。さらに、抗ストレスビタミンとも呼ばれるビタミンCの含有量が非常に高いので、ダブルでリラックス作用をもたらしてくれます。

●三つ葉
三つ葉の爽やかな香りの成分は「ミツバエン」、「クリプトテーネン」。鎮静、ストレス解消、不眠症の改善に役立つといわれています。ただし、火を通しすぎると味も薬効も落ちてしまうので注意しましょう。

●タマネギ
独特の刺激臭のもとになっている成分は「硫化アリル」です。この硫化アリルはタマネギ以外にも、アサツキやワケギなどのネギ類、ニラ、にんにくなどにも含まれています。疲労回復、神経の鎮静化に効果があり、不眠改善作用も期待できる食材。血液の流れをスムーズにする働きもあり、さらに慢性的な疲労回復に欠かかせないビタミンB1の体内利用効率を高めてくれる作用まである優れものです。

パセリや三つ葉はいつものサラダなどのトッピングとしてプラスワンするだけですぐに摂取できますし、タマネギは万能野菜などで使い勝手が良く、あまり意識しなくても十分に日頃のメニューで摂取できる食材かと思います。セロリに関しては好き嫌いが別れる食材ですし、あまり普段の生活では馴染みがないという方もいらっしゃるかもしれませんが、食物繊維も豊富な健美野菜なので、ぜひこの機会に少しずつでも取り入れられるように意識してみてくださいね。

ちなみに、パセリは1回で使い切るのは難しいと思うので、冷凍保存が便利です。
手順はとても簡単。

1.パセリを水洗いしたらしっかり水気をとり、茎の部分はカットします。
2.フリーザーバッグに入れて冷凍します。
3.凍ったパセリを袋の上から揉んで、細かい状態に、再び冷凍庫へ戻します。

アロマベジタブルで食事の香りと風味を楽しみながら、さらにぐっすり眠れる快適な夜も手に入れてくださいね。

46. 乳がん予防・美容などに直結!「ドラキュラホルモン」がもつ驚異的な健美力

皆さん、こんにちは。

別名「睡眠ホルモン」と呼ばれるホルモン「メラトニン」は、起床後14~16時間後に暗い環境だと脳の後方にある「松果体」という、松ぼっくりのような形をしている部位から出てくる物質です。暗くなる夜になると分泌されるホルモンなので、「ドラキュラホルモン」と呼ばれることも。逆に、明るい環境下では分泌は抑制されてしまいます。このメラトニンは質の高い眠りを促すうえでとても大切なホルモンなのですが、実は快眠以外にも嬉しい効果がたくさん詰まっています。

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メラトニンには抗がん作用や美容効果も

メラトニンの分泌は良質な睡眠を促すだけに留まらず、身体の健康に重要な役割を果たしていることが明らかになっています。日本人の死因第1位は癌ですが、メラトニンには非常に強い抗酸化作用があることが確認されているため、抗がん作用があることが分かっているのです。健康や美容の大敵である活性酸素やフリーラジカルといった有害物質を「発生させにくくする」・「発生したものを消し去る」・「体内の抗酸化酵素の働きを強化する」という3方向からのアプローチで身体の健康を守り、健康という土台のうえに女性の永遠のテーマである「美」を育んでくれるという嬉しい効果が。
先進国で夜間に働いている女性は発展途上国の女性と比べて、乳がんの発症率が4倍以上高いという報告があるのですが、これはメラトニンの分泌が、夜の照明によってつくられる明るい環境により分泌が抑制されていることが関係しているのではないかということがひとつの要因として推測されます。
また、近年アレルギーも増加傾向が強まっていますが、メラトニンには抗炎症効果もあるといわれているのです。

天然の美容液「成長ホルモン」の分泌を促す作用もある

「睡眠健康」・「睡眠美容」を考えるときに必ずメラトニンとセットで出てくる大切なホルモンといえば「成長ホルモン」。別名「天然美容液」と呼ばれるほど美容磨きにダイレクトに影響を与える作用を持っていますが、メラトニンにはこの成長ホルモンの分泌を促進する作用があるといわれているのです。メラトニンと成長ホルモンの最強タッグで睡眠時間は心身の健康を育む時間に早変わり。もちろん、スキンケアタイムにも、エステタイムにも、ダイエットタイムにもなるので、睡眠時間は未来を活き活きを過ごすための投資時間になります。
「睡眠時間は無駄」と思われる方も少なくないですが、睡眠時間を削って「なんとなく」過ごしている時間のほうがよっぽど効率が悪い過ごし方です。健康も美容も1日では作り上げられません。睡眠時間を意識することで時間を有効的に活用し、自己免疫力を強化して、5年後、10年後の元気とキレイの両方を手に入れましょう。

45. 寝室を「眠り」と「SEX」だけの空間に徹底すべき理由とは。

皆さん、こんにちは。

ぐっすり眠るための寝室空間づくりのポイントのひとつに「シンプルであること」という条件があるのですが、これは昼間の活動から身体・精神・脳を引き離し、リラックスした状態で眠ることに意識を集中させるため、そして「、寝室=休む」という意識付けが脳になされるために大切な要素なのです。「寝室では眠ること以外のことはしない」ということが大前提なので、当然テレビやパソコンなどを寝室におくことはNG。しかし、性行為だけは寝室でも認められている睡眠以外の行為なのです。

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就寝前のセックスで、リラックスモードのスイッチが入る

季節の変わり目の寒暖差、屋外と屋内の温度差といった物理的なストレスや、職場の人間関係などからくる精神的なストレスによって自律神経が乱れやすい現代。通常昼間は興奮モードの交感神経が優位になり活発な活動が促され、夜になると休息モードの副交感神経が優位になっておやすみスイッチが入るのですが、自律神経が乱れているとこの切り替えがうまく働かずなかなか寝付けなかったり、睡眠の質が悪くなったりしてしまいます。自律神経を整えるメソッドはいくつかありますが、中でもセックスにはこの切り替えをとてもスムーズに、かつスピーディーに行う作用があるといわれているので、健康効果とキレイ効果に加え、安眠効果もある行いだといえるでしょう。
実際、セックス前後の男性の脳を調べた結果では、セックス後のほうが脳がおやすみモードになったという報告もあるそう。

「幸せホルモン」で心が安らぎ、脳がおやすみモードになる

セックスのときに分泌されるホルモン「オキシトシン」は、別名「幸せホルモン」や「愛情ホルモン」と呼ばれており、その名のとおり情緒を安定させて心を豊かにし、心身をリラックスさせる作用があるのです。夜は1日働き続けた大脳が疲労困憊の状態で冷静な思考が奪われやすく、どんな人でもネガティブな方向に感情が揺さぶられがちになるという特徴があります。しかし、セックスという行いを通じて人は心を幸福感で満たし、安らいだ気持ちで心地よい眠りへの世界へ入っていくことができるようになるのです。
就寝前の性行為というと、かえって眠りを妨げるイメージが強かった方もいらっしゃったかと思いますが、実は眠りをサポートしてくれる行いのひとつ。パートナーがいない場合は家族同士で背中を軽く叩く(タッピング)など、「触れ合い」を大切にするだけで心のやすらぎレベルはかなり高まります。1人暮らしの方の場合は、ボディクリームを丁寧に塗る、愛する人と触れ合っている幸せをイメージするなどがおすすめですよ。